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ビジネスで重要視される目標設定について

2024年10月25日11:27 AM

目標設定とは、「目的」を達成するための行動や方針、施策を設定することであり、最終的なゴールへ向かうまでに必要な複数の要素として欠かせないものです。目標設定がビジネスで重要な理由は、進むべき方向性を明確にし、時間やコスト、労力を最小限に抑えて最短ルートで目的を達成するためです。目標の達成に必要な時間やコストの把握、リソースの適切な把握や管理に役立つ一方で、適切な目標設定ができなければ、最終的なゴールが達成されないだけでなく、達成のためにやらなければならないことを洗い出せなくなってしまうことになります。

「目的」と「目標」の違いは、「目的」は、最終的に成し遂げようとする事柄や全ての行動を方向づける根拠となるものであり、ビジネスて例えるなら、企業全体で達成したい「最終的な目標」と言えます。これに対し、「目標」は、目的を叶えるために段階的に設ける指標であり、目的を目指すプロセス上での一定期間における到達地点のようなものです。複数の目標を段階的に達成していくことで目的に近づいていくという目的を追求するための手段であり、必ず目的をベースに設定しなければなりません。

目標には発生型と設定型の二つのタイプが存在します。まず発生型は、既に発生してしまっている物事に対して設定される目標です。既存のあるべき姿と現状のギャップから発生する目標のため、誰でも理解しやすく共有も容易に行うことができます。発生型目標の設定の考え方としては、「過去⇒事実⇒問題の解決」というイメージです。一方の設定型は、自らの意志で自発的に設定する目標であり、思い描く新しいあるべき姿の提案のため、なぜその目標にしたのかを明確に言語化し、周囲を納得させるだけの根拠の説明が必要となります。考え方としては、「未来⇒意志⇒新しい価値」というイメージです。

目標の設定のプロセスについては、アメリカの学者ジョージ・ドランが提唱したゴール設定のフレームワークであるSMARTの法則が役立ちます。

  • S=Specific(具体的な):定性的な内容ではなく、数値化した定量的な内容であるか
  • M=Measurable(測定可能な):達成度合いが測定できる内容か
  • A=Achievable(達成可能な):努力すれば達成できる現実的な内容か
  • R=Relevant(関連性のある):企業のミッションや自分のなりたい姿などゴールと関連性のある内容か
  • T=Time-bound(期限のある):いつまでにどの状態を目指すか

ポイントは、ぼんやりではなく誰にでもわかるように表現すること、進行や達成の度合いを定量化して表現すること、希望や願望ではなく現実的で達成可能な内容を設定すること、組織の方針から外れない目標を設定すること、必ず明確な期限を設定すること、の五つになります。こうしたSMARTの法則に沿って考えていくことで、具体的で進捗管理しやすく、メンバーのモチベーションを維持できる「目的」をベースとした「目標」の設定が可能となります。皆さんのチームの目標はどのようなものですか。

カテゴリー:人事コンサルタントの雑感,目標管理

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コンフリクトマネジメントについて

2024年9月26日12:23 PM

異なる価値観や年齢、性別をもつ個人の集まりである企業組織においては、その大小にかかわらず様々な対立や衝突を避けては通れず、現場では日々、個々に顕在的または潜在的な葛藤や不満が生まれています。そうした個々が思い描く葛藤や不満はネガティブなイメージとして捉えられがちである一方で、見方を変えれば、異なる意見や見解として組織の活性化や新しいアイディアとして変換できるかもしれない可能性ももっています。

「コンフリクトマネジメント」とは、そうした組織内で生じる衝突や対立を戦略的に活用して、組織の変革や強化に役立てようとする手法であり、コンフリクトを上手にマネジメントすることができれば、チーム内での質の高い議論やメンバー同士の相互理解といったメリットを生み出すことも可能となります。そのため、職場環境や人間関係を改善し、さらにチームやメンバーの成長に繋げることができるように、破壊的な対立ではなく、いかに建設的な対立に変えていくことができるかがカギとなります。

職場におけるコンフリクトは、①仕事に関する目標や問題についての意見やアイディアの衝突によるタスクコンフリクト、②仕事への価値観や取り組み方、進め方についての考え方の相違によるプロセスコンフリクト、③パーソナルな人間関係から生じる感情の対立によるリレーションコンフリクトの3つの種類に分類されます。①と②についてはマネジメント次第でチームの活性化に繋がる生産的なコンフリクトととも捉えることができますが、③については放置してしまうと、メンバー間に不安や緊張をもたらす非生産的なコンフリクトであり、「嫌い」「腹が立つ」など感情的にもつれてしまえば収拾がつかず解決が困難になることも少なくなく、対処が遅くなればなるほどチーム内のストレスや不安感は大きくなってしまいます。

こうしたコンフリクトが発生した際に、メンバーがどのような態度をとり、それに対してどのような反応が見られるかは大きく分けて次の5種類に分類されます。

        態 度        反 応
強制自分の意見を一方的に相手に押し付ける押し付けられた相手は不公平感や不満を抱きやすい
妥協双方が妥協し合って、落としどころを探る問題の解決はできるが、中途半端な結論になりがちで、成果の満足度は低い
受容相手の意見を優先して受け入れる一方が自身の意見や主張を抑え込むため、Win-Loseの関係性になってしまう
回避コンフリクトそのものを避ける対立は起きないが、問題は回避されるので、先送りになってしまう
協調互いの意見を尊重し合い、建設的な議論で解決を目指すWin-Winになる可能性が高く、新しいアイディア創出のチャンスにも繋がる

「強制」については強い上司やリーダーが恒常的に行いがちであり、「妥協」については日常的な解決策である一方で習慣化しないように注意する必要があります。「受容」と「回避」についてはリレーションコンフリクトにおいて放置されがちです。言わずもがな、コンフリクトマネジメントの目指すべきゴールは「協調」となるわけですが、一方で、先の4つの状態で落着せざるを得ないケースは少なくありません。そのため、上司である自分やメンバーがどのような態度や反応をとっているかを冷静に把握し、客観的に判断することで、その状況に応じた適切なマネジメントを行うことが求められます。このような際、皆さんはどのようなマネジメントを行われていますか。

カテゴリー:人材育成

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チーム機能を高めるエンパワーメントについて

2024年8月27日11:38 AM

エンパワーメントとは、上司がメンバーに実行プロセスにおける意思決定の権限と責任を付与することで、メンバーに主体的かつ自律的な行動を促していくことであり、ビジネスシーンだけでなく、医療や福祉、教育、社会活動など、幅広い分野で重要視されています。ビジネスにおいては、所謂タレントマネジメントの手法の一つとして、チームに所属するメンバーの能力や経験を情報として管理し、人と仕事との適切なマッチングを図ることと捉える側面もあります。

一方で、一定レベルのスキルを有するメンバーに対しての人材育成マネジメントであり、どんなメンバーにでも機能するわけではなく、例えば、新人や若手にミスが許されないような重要な仕事や非常に緊急性が高い仕事を任せてしまえば、無責任なアサインとなってしまうため、対象となるメンバーの意欲や力量、状況を把握して、本人が努力することで、現実的に達成を見込むことができるエンパワーメントの実行が望まれます。

エンパワーメントが重要視されている理由としては、まず、スピーディな意思決定が挙げられます。従来のマネジメントは、指示命令する側と命令を受け取る側が明確に分かれており、権限と責任は指示命令する側に集中している命令管理型が主流でした。一方で、ビジネスを取り巻く環境の変化が激しく、スピーディな意思決定とアクションが求められるようになってきている昨今、経営者やマネージャーが全ての案件や問題などに主体的に関わることは難しくなってきています。さらに変化していくビジネス環境に対応するために、迅速かつ柔軟な判断が求められる局面では、上司に状況を説明して指示を仰いでいる過程でタイムラグが発生してしまいます。そうした中、メンバーに権限を渡し、現場で対応してもらうというエンパワーメントの実行が企業としての競争力やチームとしての機能性をより高めるという観点から注目されています。

次に、顧客満足度の向上です。現場のメンバーに意思決定の権限を付与することで、顧客満足度が向上するケースも期待できます。例えば、クレームやトラブルが発生した際に、直接接点のあるメンバーが権限をもっていれば、現場でスピーディに状況判断し、解決策を選択して対応することができます。このように、裁量権をメンバーに移管して簡素化することにより、意思決定が迅速化されるだけでなく、現場での対応力が高まり、よりニーズに密着した柔軟性のある意思決定が可能となります。

さらに、主体的に行動するメンバーが増えることも、エンパワーメントが重要視される理由の一つです。上司が全ての意志決定をしていれば、そのうち部下は思考停止し、「上司の判断を仰いで作業をする」という受け身のスタイルが出来上がってしまいます。そのため、エンパワーメントによって、自分の責任として自分で考え、主体的に行動できる社員を増やしていくことが求められます。これまで上司が行っていた判断を自ら判断し実行するという経験を積むことにより、判断基準や判断のタイミングを学びながら業務遂行能力が高まることで、メンバーに主体性や自律性が育まれていきます。

そして最後に、上司がより重要な案件にフォーカスできることが挙げられます。部下のあらゆる業務のチェックや意志決定を行っていれば、それだけで上司の時間は削られてしまいます。そのため、部下への権限委譲によって組織にとって大事なリソースである上司の時間を確保することで、本来のマネジメントや高度な仕事、より経営に近い案件に注力して取り組むことができるようになります。

今回はエンパワーメントが重要視される理由についてご紹介しました。皆さんの職場では、効果的なエンパワーメントが実行されていますか。

カテゴリー:人材育成

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職場リーダーに求められる情況把握力について

2024年7月26日10:46 AM

「情況把握力」とは、2006年に経済産業省が職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力として提唱した社会人基礎力の12の要素の中の1つであり、「自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する力」と定義されています。

組織やチームの活動において、計画通りに進むことは稀であり、目標に向かって進むプロセスで問題やトラブルが発生した際、リーダー自身やメンバーの「情況」を把握し、それぞれがとるべき具体的な行動の理解と共有が求められます。「情況」とは、物事のその時々の在り様のことであり、様々な事象や人々の仕事、感情などを客観的かつ論理的に理解すると同時にポジティブな面もネガティブな面も把握し、問題点やリスクを事前に察知するための「情況把握力」は、職場リーダーにとって非常に重要なスキルと言えます。一方で、情況把握力を単に「状況」を把握する能力と理解しているビジネスパーソンは少なくありません。

「情況把握」と似た言葉に「状況把握」という言葉があり、読み方は同じですが、それぞれには意味の違いがあります。「情況把握」が、自分自身を理解することは勿論、周囲のメンバーの内面や関係性にも思量を及ばせることであることに対して、「状況把握」は、自分自身やその立場、環境などの情報を収集し理解することであり、自分とメンバーの内面や関係性にまで焦点を当てておらず、主体的に行動することも限定されていません。そのため、いくら「状況把握」が優れていたとしても、必ずしもチーム内が活性化、機能化する保証がない点が「情況把握」との大きな違いとなります。

「情況把握力」を構成する3つの要素の一つ目は、言わずもがな、自分や相手が置かれている状況を把握し、物事との関係性を理解することであり、当然、状況の変化に気付くことやリスクを想定することも含まれます。さらに、一から十までの全てについての情報を収集することが出来なくても、推測し本質を見抜くことを起点にして自分で考え、全体像を捉えていくことも求められます。こうした意味で考えると「空気を読む力」とも言えるのかも知れません。

二つ目は、優先順位をつけて、すべきことを考えることです。例えば、店長から商品棚の整理をするよう指示されたタイミングで、急にレジ前に多くの来店者が並び始めてしまったとします。ここで優先されるべきは来店者へのレジ対応であり、優先順位は、まず「レジ対応」、次に「商品棚の整理」となります。極めてシンプルな例ではありますが、仕事では複数の物事を同時に進めなければならない場面もあるため、変化し続ける状況に対して、正しい優先順位を選択し実行していくことが求められます。

三つ目は、先を見通し行動に移すことです。組織が利益を生み出し続けるには、現状を把握し、この先に起こる変化に常に対応していかなければなりません。例えば、新しい工事計画を実行する際、全くトラブルがなく計画通りに進むとは限らず、どこかで不具合が生じたり、クレーム等が発生するケースも考えられます。そのため、トラブル等が起きた時でも対応できるよう、様々なパターンを考えておくことがとても大事な段取りとなります。さらに、「情況把握力」が高いビジネスパーソンであれば、冷静に状況を把握して最悪の場合も想定しながら行動できるため、将来的に経営やマネジメントにかかわるポジションなども期待される存在ともなり得ることができます。皆さんの職場のリーダーの「情況把握力」はいかがですか。

カテゴリー:人事コンサルタントの雑感

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ビジネスパーソンに求められる計画力について

2024年6月25日11:09 AM

組織には目指すべき目的を実現するために、経営計画、事業計画、チームや個人の計画など、多くの計画が存在し、組織の中で仕事をするためには、周囲の人たちとの協力は欠かせません。そのため、そうした周囲の人たちに納得して仕事してもらうためにも、期限までに実行完了するために必要な目標やタスク、リソースなどを明確にし、タイムラインを設定した計画が必要不可欠と言えます。

一方で、計画を立てることができれば仕事が進むというわけではなく、計画には想定外の事態やトラブル等の発生が憑きものであり、そうしたトラブルを想定していなければ、対策が遅れるばかりでなく、さらなるトラブルを誘発し、問題を拡大させてしまうリスクも生じかねません。そのため、ただ計画を立案するだけでは不十分であり、実行可能な計画であることや状況に応じて修正できることがとても大事なこととなります。

そこで求められるのが計画力です。計画力とは、2006年に経済産業省が提唱した「社会人基礎力」の1つであり、「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」の3つで構成されており、計画力は、「考え抜く力」の一要素として位置づけられています。

ビジネスパーソンに計画力が必要な理由の一つ目は、どんな業務にも時間的制約があることにあります。顧客からの信頼を保つためにも、納期の遅れは許されず、当然ながら、工程やタスクごとに進捗を守ることが求められます。一方で、計画力が低ければ、工程数の見積もりや時間配分に無理が生じ、納期の遅れを引き起こしかねなません。そのため、あらゆるタスクを列挙し、それらに優先順位をつけ、適切に時間を見積もる計画力はビジネスパーソンにとってとても大事なスキルの一つと言えます。

二つ目は、言わずもがな、スケジュールの調整です。時間的制約があるからこそ、スケジュールの調整が必要であり、元々の計画に対して、遅延がどの程度の影響があるか、どのタイミングで調整すべきかを判断しなければなりません。さらに、業務には不確実性があり、外部環境の影響に左右されるため、長期的な計画ほど、計画通りに進まないことは珍しいことではなく、計画力が高ければ、想定外の事態にも複数の次善策を見出すことができます。

三つ目は、業務の効率化です。タスクに充てられるリソースには限りがあるため、効率的な手順や方法でスケジュールを進める必要があります。計画力が高ければ、優先順位を明らかにすることができ、必要のない作業に時間を割いて未完了のタスクが増えるということも回避できます。そのため、メンバーの抱える負担が軽減され、業務の質を落とすことなく、業務を効率化させることが可能となります。

このように、計画力はビジネスパーソンにとって必要不可欠なスキルと言っても過言ではないと思います。皆さんの職場はいかがですか。

カテゴリー:人事コンサルタントの雑感

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チームの成果に効果的なOJTについて

2024年5月28日11:07 AM

皆さんの職場では効果的なOJTが行われていますでしょうか。OJTは職場で実務をさせることで行う従業員への職業教育のことですが、OJTをただ単に「仕事を教えること」と理解している上司の皆さんは少なくないのではないでしょうか。

人は組織の重要な経営資源であり、人が育つことほど組織にとって心強いことはありません。一方で、経営者から見た事業運営の目的は、利益の創出、事業の発展、社会貢献、社員の生活水準の向上など様々ですが、つまるところ社員に求めるのは「成果」であり、その実現のための方法の一つが社員一人ひとりの能力向上であり、そうした社員の能力をチーム機能に反映し「成果」に結びつけるためにOJT という手法をとっているに過ぎず、社員が育つことが組織の最終的な目標ではありません。したがって、「仕事を教えること」がOJTの一貫であることは間違いありませんが、実際にはもっと範囲が広く、「OJT=能力開発+成果」と捉えることが上司の皆さんには求められます。

さらに、OJTを行う上司は部下に対しての「思い込み」を止めることが必要です。まず、同じ「経験」をしているという思い込みです。時代が変わり、若い社員は上司の皆さんが育った時代と全く違う経験をしていることも多く、「これくらい言わなくてもわかるだろう」という考えは通じなくなってきています。そのため、ルールを共有したり、コミュニケーションをしっかり取ったりすることで、互いの認識にズレがないかを確認する必要があります。さらに、指導の際にも抽象的な伝え方ではなく、できるだけ具体的に伝えることが求められます。特にコロナ禍の学生時代を経て入社してきた若い社員は、これまで以上に経験不足、情報不足の部分を汲み取った接し方を心がける必要があるように思います。

次に、同じ「価値観」を持っているという思い込みです。価値観も多様化しているため、上司のモチベーションの源が部下と同じだとは限りません。そのため、それぞれの社員のモチベーションの源はどこにあるのか、何を大切にしたいと思っているのかを考えながらマネジメントを行うことが大事です。

最後に、「仕事は苦しいものだ」という思い込みです。仕事は楽しいものばかりでなく、当然、きつく大変なことの方が多くあります。一方で、苦しいだけで終始してしまうような仕事観は、特に若い社員の場合には響くことはないと言っても過言ではありません。例えば、「頑張っていればいつか何かが見えてくる」「お金を稼ぐのは苦しいものだ」といった考え方では、効率を考える若手社員は納得しないでしょう。苦しい思いをして貴重な人生の時間を費やすのであれば、他に行こうと考える人が増えているため、上司の皆さんには「大変さを乗り越えた先に手にできるもの」をしっかりと伝えることが求められます。

OJTをマネジメントと切り離して考えるのではなく、マネジメントの入り口と捉えて、一人ひとりの成長をいかにチームを成果へと導く個々の貢献へと繋げていくかを強く意識して臨むことがとても大事なことのように思います。

カテゴリー:人材育成

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より効果的なフィードバックについて

2024年4月26日5:11 PM

フィードバックとは、組織、個人、プロジェクト、商品、サービス等のこれまでの成果や行動について、他者の評価を本人に伝えてアドバイスすることであり、個人についてであれば、メンバー一人ひとりの考え方や実際の行動に対して評価や指摘を行うことです。

フィードバックは、主にプロジェクト終了後の振り返りや人事評価等の実施後など、多くの企業で日常的に行われています。基本的には上司から部下に対して行われますが、リーダーからメンバーへ、先輩から後輩へ、同僚から同僚へ、メンターから新入社員へ行われることもあります。具体的には、チームの目標達成に必要な問題解決やメンバーの成長促進を目的とし、チーム全体やそれぞれのメンバーに対して、動機づけや軌道修正、補強改善を促すコメントを行うこととなります。一方で、単に「コメントを伝える~受け取る」だけでは、フィードバックの本来の目的を果たすことはできません。

効果的なフィードバックを行うためには、ポジティブなフィードバックとネガティブなフィードバックをうまく組み合わせて行うことが必要です。

まず、ポジティブ・フィードバックですが、単に褒めるだけではなく、感謝や労いの言葉、仕事の良い点、成長したと思える点などについて具体的伝えることで、メンバーが仕事に対して自信をもち、積極的に取り組めるように意欲付けを図ることを目的として行われます。ネガティブ・フィードバックを行う前に、まず良かった点を意識的に探して評価するポジティブ・フィードバックからすることで、メンバーがネガティブ・フィードバックを前向き受け止めやすい環境を作ります。

次に、ポジティブ・フィードバックとは逆に、ネガティブ・フィードバックで問題点や懸念点にフォーカスしていきます。本人が実際に行っていた行動のなかで、改善すべきポイントは何であったか、さらに上司として本人にどのようなレベルを期待しているのかの「期待値」を伝え、期待に応えるレベルに至るまでの本人の「現在地」を理解させ、「いま何が必要か」の対話をスタートさせます。問題が生じている原因を深く掘り下げていく効果があるため、失敗や間違いの自覚を促し、同じことを繰り返さないための対策を立てるのにとても効果的であり、受け取る側のメンバーからするとあまり好ましい内容ではないかも知れませんが、無ければ良いというものでもなく、むしろ本人の成長を促すためには必要不可欠なものと言えます。一方で、伝え方によっては単に批判、叱責されただけと受け止められてしまいかねず、モチベーションに悪影響を与える恐れがあるため、リスクを認識し、受け取る側のメンバー一人ひとりに合わせた伝え方の配慮が必要です。

このようにポジティブ・フィードバックとネガティブ・フィードバックをうまく組み合わせて伝えていくことで、より効果的にフィードバックを行うことができます。皆さんの職場ではどのようなフィードバックを行っていますか。

カテゴリー:人材育成

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業務プロセスで繰り返される状況判断について

2024年3月26日12:21 PM

我々は意識、無意識にかかわらず、多くの判断を日々の業務の中で繰り返しています。そのため、より効果的な判断や決断が求められると同時に、それは選択を誤ればリスクを伴う可能性もある重要な行為とも言えます。一方で、チームメンバー一人ひとりの判断力や決断力が向上すれば、チーム全体の生産性が向上し、日常業務の遂行をスムーズにするだけでなく、チームの目標達成においても非常に効果が期待できます。

まず、何かを判断する際には、その裏付けとなる情報やデータが必要となります。過去から現在に至るまでの様々な情報やデータを整理し、そのうえで「だから、こう判断する」という、理由や根拠に基づいて客観的に行われます。例えば、出勤時に外に出たとき、空の様子が怪しかったとします。そこで、スマホで天気予報を確認し降水確率が高いという情報を得て、雨が降ると判断する、という感じです。つまり、判断とは、現状分析と情報収集に基づく頭の中の整理であり、既存の物事に対して評価をすることであるため、決定する対象は「現在」であり、その先の決断における検討材料の一つとも言えます。

次に、決断の対象となるのは、現在だけでなく「未来」に向けて及ぶものであり、決断されたことには必ず行動が伴います。先の例えで言えば、雨が降ると判断したことにより、傘を持っていくと決断する、というようなイメージです。これは、所謂「ソラ・アメ・カサ」という、論理的思考のフレームワークの一つでもあります。

さらに例えるなら、取引先から「商品の価格をもう少し下げられないか」との要望があった際、値下げすることによって、生じるメリットとデメリットを整理して値下げできると判断し、そこから、取引先との関係性や要望のレベル等を考慮して最終的に値下げするのか、しないのかを決断する、といった感じです。

一方で、判断するための条件や情報は揃っているのに、判断しないまま放置してしまっていたり、判断に基づかない決断をしてしまったりすれば、仕事が前に進まなくなるだけでなく、ケースによっては重大なリスクも伴いかねません。

そうしたリスクを抑止するためには、まず、目先の問題だけに意識が囚われていないかを疑うことが必要です。目の前に問題となって見えている事象だけに対処しようとすると、一見、問題が解決したように見えても、根本の阻害要因の排除や解消には至らず、結果的に却って手間やコストが増えてしまい、むしろ効率が悪くなってしまう事態に陥りかねません。誤った判断や決断をしないためにも、目先の問題だけに囚われないようにすることがとても大事です。

次に、自分一人で決められることなのか、自分だけでは決められないことなのか、の2つに振り分けて考えることです。自分一人で決められるのであれば、即座に判断、決断し、自分だけで決められないのであれば、誰の許可や判断が必要なのかを確認しスピーディに必要な行動をとることで、自分一人で決められるのにもかかわらず、初動で遅れをとってしまうような事態を防ぐことができます。

そして、「できるのか、できないのか」「やるべきか、やらないべきか」を考えます。まず、対象となる選択が「できるのか、できないのか」を判断します。さらに、「やるべきか、やらないべきか」については、どんな事案や問題だとしても、組織にも個人にも対応できることとできないことがあり、組織の企業理念や個人の立場、役割といった視点から判断されるため、実現可能であることと、やるべきかどうかは別の判断となります。もし、それが「できないけれど、やるべき」であったなら、実現不可能な理由を洗い出し、いかに可能にするかを検討するなど、シンプルでクリアな判断ができるようになります。

ビジネスの様々な場面で、時として難しい判断や決断を迫られることは屡々です。そうした際に、いかに最終的に自分で責任をもって主体的に物事を決めることができるかが、ビジネスパーソンには求められます。皆さんの職場はいかがですか。

カテゴリー:人事コンサルタントの雑感

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チームの仕事の成功確率を高めるために

2024年2月27日11:54 AM

皆さんの職場のチームの仕事の成功確率はいかがでしょうか。仕事の成功確率を高めるためには、それぞれのメンバーが「いかに適切に状況判断できるか」、また「それについての最も適したアプローチをとることができるか」が求められます。

この2つを育むためには、まず、上司やリーダーがメンバーに問いかけ続けるという「問いの共有」を図っていくことが必要です。例えば、「クライアントやユーザーの満足度をもっと高めるためには、どう工夫すればいいのか」「チーム内の情報共有を徹底するためには、どんなルールが必要なのか」「作業工程のリスクを防ぎ、安全性を高めるためには、何をどうコントロールすればいいのか」などの課題をメンバーに問いかけ共有することです。

さらに、成功確率の高いメンバーへと成長するためには、仕事は結果で評価される一方で、安定的に結果を出していくためには、正しいプロセスで仕事ができるかがカギとなることを教えることです。

理想的なのは「良いプロセスで成功すること」、次に望ましいのは「良いプロセスで失敗すること」、そして「悪いプロセスで失敗すること」、最も良くないことは「悪いプロセスで成功してしまうこと」です。例え、悪いプロセスで成功したとしても、得てして結果オーライで済ませがちになり、「ツイていた」「運がよかった」と思い、軌道修正しないため、結果、悪いプロセスで失敗を繰り返すことになってしまいます。

そうした事を防ぐためには、目先の勝ち負けだけを見るのではなく、良いプロセスで仕事ができたかどうかを上司やリーダーが厳しく評価すること、また、そうした厳しい評価によって、最も良くない「悪いプロセスで成功してしまうこと」をフィードバックし、しっかりと内省を促し、軌道修正の機会を与えることがとても大切です。

チームの成果に責任をもつ上長として、メンバーに対して、結果を出すことは大前提である一方で、結果を出すことの重要性を伝えながらも、メンバーが良いプロセスでそこに向かっているかどうかを常に確認していくことは、上司やリーダーのとても大事な役割の1つではないかと思います。

カテゴリー:人材育成

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これからの上司の在り方について

2024年1月30日11:05 AM

このブログをみていただいてる皆さんは部下をもつ上司やリーダー等の役割を担われている方が多いのではないでしょうか。

上司の役割は「チームの目標の達成」「意思決定」「部下の指導育成」「組織理念の浸透」など様々ありますが、このような一つひとつの役割の過程や結果においてその責を負うことが上司にとっての最大の役割と言えます。たとえ、タスクを部下に任せたとしても、そのタスクに対する過程、結果の責任は常に上司にあり、問題があれば上司はその責を負わなければなりません。もし部下がトラブルやミスを犯してしまった際、𠮟りつけるだけで上司がその責任を負うことをしないなら、上司の役割は果たしていないということになります。

そういう意味では上司はあまりいい役回りであるとは言えないのかもしれません。若いビジネスパーソンの中には責任が増すことを嫌がり、出世や昇進に消極的な方も少なくないようです。

チームをどのように運営し、その目標が達成され、さらに部下の育成が促進される環境を形成していくか。そのためには「仕事の意義と目的の理解の促進」「必要とされていることの実感演出」「キャリアプランの段階作り」を部下に波及していくことで、上司と部下との関係性を構築し、一人ひとりを活かすチームを作っていくことが求められます。

上司の皆さんにおかれては、上司としてそれぞれの上司像や考え方がお在りのことと思います。一方で、いまは当たり前と思われてきた従来のやり方では、その役割を果たすことは難しく、現代の若者を取り巻く環境と時代背景の変化の中で、上司自らがやり方を変え、この時代に適した部下とのコミュニケーションを設計する必要があるように思います。

良くも悪くも同質性が求められ、所謂「~すべき論」の教訓を受けて、部下がひたすらに指示通り働いていればいいという考え方の時代は終わり、これからは「多様性」や「創造性」が価値をもつ時代となり、部下一人ひとりの価値観を理解して個々の特性を伸ばし活かしていく事が求められています。そのためには、上司自身が自分と向き合って、どう変わっていけるかがカギとなります。

部下を伸ばすために、その「違い」を認め、立場で指示命令するだけでなく、部下が変わるの待つだけでなく、上司側が理解して積極的に部下に働きかけていくことが必要です。皆さんは、どのように思われますか。

カテゴリー:人事コンサルタントの雑感

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職場の業務効率の改善について

2023年12月25日12:14 PM

皆さんの職場の業務効率はいかがでしょうか。前回ご紹介しました長時間労働の上限規制への対応のためにも、業務効率の改善は職場の必須の課題となっているのではないでしょうか。

そうした業務効率改善のための効果的な方法の一つとして「ECRSの原則」というものがあります。これは効率改善を実施する際の順序をまとめたものであり、Eliminate:排除「やめられないか」、Combine:統合「まとめられないか」、Rearrange:再編成「入れ替えられないか」、Simplify:簡素化「簡単にできないか」の頭文字をとった改善方法です。

ここで注意すべきは、「排除」⇒「統合」⇒「再編成」⇒「簡素化」の順番で進めていくことです。業務効率の改善を図ろうとすると、どうしても簡素化やマニュアル化等から着手したくなりがちですが、簡素化からスタートしてしまうと、もともとの業務に簡素化するための活動がプラスされて逆にタスクが増えてしまうことで途中で頓挫する可能性が高く、上手く行きにくい傾向があります。そのため、まずは「排除:やめること」から着手します。但し、「やめること」は今までの前例を覆すことでもありますので、個々のメンバーの判断で勝手に行うことはできません。そこで、上司やリーダーが主導して職場メンバーの意見を取り入れながら「やめること」を決めていくことがポイントとなります。

まず、「Eliminate:排除」ですが、各業務で行っている内容の具体的な理由や目的を洗い出します。もし明確な理由や目的が見当たらない場合、その業務は慣例化していただけという可能性が考えられます。ムダな業務を排除することで、パワーやコスト、時間を削減することができます。

次に、「Combine:統合」では、類似しているのに別々進めていた業務を一本化することで効率が向上できるかどうかを検討します。一方で、場合によっては分離されていた方が却って効率が良いケースもあるため、柔軟な考え方で取り組むことがポイントです。

三つ目の「Rearrange:再編成」とは、業務の順序や配置、場所、担当者等を入れ替えることで効率を向上できないかを検討することです。たとえ、短縮するタクトタイムが少なくても、長期的に捉えれば大きな業務改善やコスト削減に繋がります。

そして、最後に「Simplify:簡素化」です。業務の一部をパターン化、オートメーション化するなど、できるだけ単純で簡単な方法に変えることができないかを検討します。業務を簡素化することで、誰でも同じクオリティの作業ができるようになるため、業務の属人化の防止やミスの減少が可能となります。

業務タスクは時間の経過と共に増加し続ける傾向があります。そのため、半年ほどのペースでこうした業務効率を継続的に見直すことで定期的にタスクを減らしていくことが必要です。さらに、継続的な業務効率改善による長時間労働の是正が実現すれば、ワークライフバランスに優れた職場体制が構築され、離職率が低下することで将来の経営基盤の強化にも繋がります。皆さんの職場はいかがですか。

カテゴリー:人事コンサルタントの雑感

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長時間労働の上限規制について

2023年11月27日11:13 AM

大企業では2019年4月から、中小企業では2020年4月から働き方改革の一環として時間外労働の上限規制が施行されました。上限規制の時間は月45時間、年360時間で、臨時的な特別な事情がある場合でも、単月で100時間未満、複数月平均80時間以内、年720時間以内に収める必要があります。

一方で、建設業や自動車運転業、医療業では、時間外労働の上限規制の適用までに5年の猶予期間が設けられ、2024年4月からの適用となっています。こうした業種に猶予期間が設けられた背景には、長時間労働、休日出勤、人手不足という問題を早急に解決することが難しいと判断されたことがあります。

例えば、建設業界全体の労務課題としては、まさに「長時間労働」と「人員不足」が挙げられます。実際に、厚生労働省の2022年度の毎月勤労統計調査によると、建設業の1ヶ月あたりの総実労働時間は167.1時間と最も長時間であり、調査対象となっている全産業の平均137.3時間と比較して30時間も長い結果となっています。さらに、4週8休が充分に実施されていない傾向もあり、全体の約5割の工事が4週4休で動いているような状況です。

こうしていよいよ来年度から、全ての企業において働き方改革の法制が進み、時間外労働の上限規制が適用されたとしても、このような状況が改善されるかというと、そんなに単純にいかないのが現実ではないでしょうか。ただ単に、定時退社の徹底や有給休暇の推奨を行っても、それは帳尻合わせに過ぎず、仕事のやり方はそのままで、人員も増やすことが出来なければ、当然ながら管理職や仕事ができるリーダー的社員にしわ寄せが集中し、職場に歪みが生じてしまいます。

さらに、働き方改革に従った結果、本来、より多くの実務を経験してスキルアップしていくべき若い社員が早く帰り、すでに十分実務スキルを身に付けている管理職などへの負担が増すという矛盾も起きてしまいます。そうなれば、管理職は増々タスクの処理だけに忙殺されることになり、肝心のチームマネジメントや部下の育成まで手が回らず、心身共に疲弊していくのは時間の問題となり、そうした姿を見て、これから管理職になりたいと思う下の社員がいなくなってしまうリスクも伴いかねません。

こうしたリスクを避けるためには、単純に「とりあえずなんとかしなければならない」というような考え方ではなく、もっと本質的な業務改善による効率性の向上が求められます。皆さんの職場では業務効率の改善は進められていますか。業務効率改善については、次回のブログでご紹介したいと思います。

カテゴリー:雇用管理

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管理職の育成に投資していますか

2023年10月26日10:21 AM

皆さんの企業では管理職層への育成活動は実施されていますでしょうか。

昨今の管理職は、多種多様な仕事に加え、働き方改革やパワハラ防止法の施行等を受けての職場改善への取り組みなど、明らかに過酷な状況に置かれていると思います。

グローバル化による企業間競争の激化のため、どの企業の管理職も厳しい目標に追いかけられる状況が続き、業務は増大し、部門マネジメントにじっくり取り組む余裕がないという状況です。さらに、少子高齢化による人手不足により、管理職としてよりプレイヤーとして活動しなければならないことの方が多く、結果、管理職が管理職として機能していないというケースも少なくありません。

このように管理職層が機能しないのは、個人の資質に問題があるとは言い切れず、単純に個人の問題として片ずけられない理由があると思います。

例えば、管理職への登用の際、プレイヤー時代に実務で優秀な成績を残した社員が抜擢されることが殆どで、昇進にあたって本来問われるべきマネジメントスキルが蔑ろにされてしまっているということが挙げられます。そもそも、管理職を登用する立場にある上司自身でさえ、マネジメントスキルを認められて上司なっているかわかりませんので、なんとなく自分の経験をもとに昇進させてしまっているという状況もあるのかも知れません。

こうした管理職は、マネジメントに関する教育を受ける機会や指摘をされる機会が少なく、実際にマネジメントが出来ているのか、出来ていないのかを自覚できずに、「マネジメントスキルが不足しているかもしれない」という疑問を持つことが出来ないということが実状です。

管理職になると組織における役割がこれまでと大きく変わるため、意識の改革が必要になります。そのため、管理職の役割をしっかりと理解、把握できているかが求められます。具体的には、管理職としてマネジメント業務の重要性を知ることや、コミュニケーションに関する考え方を変化させる必要があります。

一方で、こうした意識改革はいきなりできるものではありません。そのため、プレイヤーでいる段階からコーチングやリーダーシップ等のこの後のマネジメント業務に繋がっていくスキルについての教育の機会を計画的に提供することでスムーズなキャリアアップを目指していくことができる組織内の仕組み作りが大事です。当然、管理職になった後の定期的な学びの機会を提供することも重要です。

新人や若手への教育や育成活動は多くの企業で取り組んでおられると思います。ここで一度、管理職へのそれにも目を向けてみられてはいかがでしょうか。

カテゴリー:人材育成

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新入社員が抱える悩みについて

2023年9月26日9:45 AM

早いもので今年度も半期を終えようとしています。毎年この時期は幾つかの企業で新入社員の皆さんへのフォロー研修をお引き受けしています。4月に入社した新入社員も入社半年が経つわけですが、ここにきて、いろいろ思いを馳せるタイミングにきていると思います。

一つは、人間関係ではないでしょうか。学生の頃は年齢差のない価値観の近い人たちとの付き合いで許されていましたが、社会人になると、年齢や考え方の違う広範囲な人たちとのコミュニケーションが求められます。目上や年上の方たちに対する言葉使いやマナー等を身に付ける必要があり、苦手な上司との関わりや取引先、関係者とのやり取りの難しさに悩みを抱える新入社員は少なくありません。

二つ目は、仕事についてです。新入社員には覚えなければならないことが山ほどあります。ビジネスマナーや1日のスケジュールなどに加えて、業務内容を覚えようとすると頭も体もいっぱいいっぱいになってしまい、さらに、「ミスをしたら叱られるのではないか」という不安も重なり、悩みを抱えてしまうというケースです。

三つ目は、環境の変化です。社会人になると生活環境が大きく変化します。プライベートの時間が少なくなったり、生活のリズムが大きく変わることで、不安を感じるようになります。特に、実家を離れて一人暮らしや寮生活になるとホームシックに陥ってしまう人も少なくありません。

皆さんもご経験があると思いますが、新卒の入社間もない頃は、いま思うとはっきりとした記憶がないほど無我夢中だったのではないでしょうか。一方で、ようやく周囲を冷静に見ることができるようになってきた入社半年というタイミングで先述のような悩み抱えることは屡々です。

こうした若い社員の皆さんに対して、日常の声掛けやOJTのプロセスでの適切なフィードバックとフィードフォワードによってフォロー、サポートし、積極的に関わっていくことが必要です。

超少子高齢化に突入しようとしているこの時代に若い人材の育成は、どの企業にとっても最優先の課題です。皆さんの企業ではどのように進められていますか。

カテゴリー:人材育成

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ビジネスパーソンに必要な論理的思考について

2023年8月29日10:24 AM

皆さんの職場の社員の皆さんは論理的思考に基づいた行動ができていますでしょうか。ビジネスパーソンとしてキャリアを形成していくうえで、若手のうちに意識しなくても自然に論理的思考ができるようにしておくことはとても大事なことです。

論理的思考とは、複雑な事柄を整理してシンプルにしていく思考方法、物事を体系的に整理して矛盾や飛躍のない思考方法のことを言います。日々の仕事のなかには、実際に取り組むと様々なことが複雑に絡みあい、どこから手を付けたらいいのかわからないことがあります。そのような際に、論理的思考が役立ちます。ここで大事なことは、事の因果関係が整理できていて、ちゃんと成立しているかどうかです。一方で、論理的思考ができていないと、根拠がない個人の主観的見解に過ぎず、単なる思い付きと捉えられてしまったり、報告の際などには、上司から「結局、何を言いたいのかわからない」と思われてしまいます。

論理は、「前提」「推論」「結論」の3つの構成要素から成り立っており、論理的思考とは、「前提」と「推論」から「結論」を導く考え方です。論理的思考では、「結論」とその理由が必要であり、「推論」には「だから」「なぜなら」などの「結論」を導くための理由付けの役割があります。ここで注意すべきことは、ビジネスにおける「結論」の意味合いは学問的なそれとは違い、「結論」に「だから何なのか」というメッセージ性がなければ意味がなく、何らかの次へのアクションに繋がっている必要がるということです。

こうした論理的思考を日常的に特別意識することなくできるようになれば、コミュニケーション能力が向上し、相手の意見や考えを正確に理解することや自分の意見や考えを相手に理解してもらうことができるようになります。さらに、問題解決能力や提案力の向上も期待できます。論理的思考はビジネスパーソンにとって必要不可欠なスキルであり、あらゆる業務をこなす上でのベースです。皆さんの職場は、いかがですか。

カテゴリー:人事コンサルタントの雑感

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仕事を推進していくうえで必要不可欠な実行力について

2023年7月27日11:14 AM

皆さんの職場の社員の皆さんには「実行力」がありますか。実行力とは、目標へ向けて計画を立て、最後までやり遂げる力であり、「計画性」「行動力」「継続性」などを兼ね備えた能力のことです。また、2006年に経済産業省が提唱した「社会人基礎力」の1つでもあり、そこでは「目的から目標を設定し、確実に行動する力」と定義されています。
一見すると、経営者に必要とされる実現力と混同されがちですが、その違いは実現力が成功することが前提であるのに対して、実行力は「成功であろうと、失敗であろうと、その経験を糧にして前進し続ける力」であるということです。そう捉えると、社員にとっては仕事への取り組み方の根本を支える部分であるということが理解できます。

そんな実行力の発揮を阻害する要因の一つとして、「目的」と「目標」の違いをしっかり理解していないことが挙げられます。目的とは、最終的に成し遂げたい事柄、その行動を方向付けるものであり、所謂「何のために」です。一方で、目標とは、目的を叶えるために段階的に設ける指標のことであり、「目的にどう近づいていくか」です。これがしっかりと区別できていないと、どこか曖昧な目標設定しかできずに取り組み自体が自然と形骸化し始めます。
もう一つは、「課題」の捉え方です。課題も問題と混同されがちですが、問題とは、目指すべき姿である目的や目標と現状とのギャップであり、課題は問題を解決していくための具体的な取り組みや手段のことを言います。
例えば、目的を「健康的な体つくり」とするなら、1段階目の目標を「3か月で5kg痩せる」とします。このときの問題は「5kg」という現状とのギャップであり、そのためにはどのような課題があるかを抽出することが求められます。この場合、ジョギングやダイエットなど、これ以外にも課題はいくつも抽出することが可能であり、それのどれをチョイスして取り組んでいくか、そして、それをどう特別意識して行う必要がないように日常の中でルーチン化していくか、さらに、漠然とがむしゃらに続けるのではなく、効果が出ないようであれば、やり方に固執せず、課題(手段)を変えて取り組み直すなど、柔軟な対応が必要となります。課題を変えただけで目標は変えていないので、やり続けることには変わりなく、もっと言えば、目標の達成に至るなら、どんなルートを選んでも途中で手段を変えてもいいということです。
このようなことが理解できていないと、たった1つの課題への取り組みで効果が出ないだけで諦めてしまい、それがパターン化してしまうことで、何事にも積極的にチャレンジするという意識が希薄になってしまいます。

実行力は社員の皆さんにとって、それぞれの目標達成へ向けて仕事を推進していくうえで必要不可欠なスキルです。皆さんの職場はいかがですか。

カテゴリー:人事コンサルタントの雑感

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部下の当事者意識について

2023年6月29日12:37 PM

皆さんの職場の社員の皆さんは「当事者意識」をもって仕事に取り組むことができていますでしょうか。日々の業務を自分事として捉えて取り組むことができていれば、仕事自体に面白みが生まれ、前向きな行動や業務に対する工夫が増えることで、業務の成果が向上し、さらに社員同士または職場間の連携も活性され、組織としての総合力も向上します。一方で、社員の当事者意識が低下し続けてしまえば、組織の成長は鈍化し、停滞や形骸化に陥ってしまう可能性が高まります。

社員の皆さんの当事者意識が低下している傾向として、何でも指示待ちで言われたことしかやらないことや責任感が希薄であきらめが早い、自分の仕事以外に関心がなく、積極的に周囲と協力するなどの姿勢がみられないことなどが挙げられます。
そうした当事者意識が低下してしまう理由には、職場での自分の役割や目標が理解できていないことや評価基準がわかりくいことなどがありますが、中でも、仕事量が多すぎることは大きな要因のようです。例えば、仕事が多すぎることで、物理的にも精神的にも余裕がなくなり、自分のことで精一杯で周囲の状況が把握できずに自分がとるべき行動のレベル感がわからなくなってしまいます。そのため、自分の担当業務以外に関心がもてなくなり、積極的な提案や行動を避けるようになり、受け身の姿勢に終始するといった状態になってしまうという傾向があります。
他にも、保守的で変化を嫌う職場風土も当事者意識を低下させる理由として挙げれます。特に日本人は周囲と足並みを揃えたがるため、敢えて輪から外れるような行動を恐れます。変化をストレスと捉え、新たなチャレンジをしない雰囲気が職場に蔓延していれば、積極的に行動しょう、新たな取り組みにチャレンジしようとする社員が現れることはないでしょう。

このような状態を抑制し、それぞれの社員の当事者意識を醸成していくためには、まず本人の現在の状態と理想のイメージとのギャップを捉え「どうしていくべきか」の目的意識をもたせることです。この目的意識が明確であればあるほど「このままではまずい」という危機意識が高まります。そして、この危機意識が自己改革の起点となって「目標」に向けての新しい行動に繋がっていきます。あるべき姿と現状のギャップから自分自身の「問題」を捉え、その問題を解決していくために具体的に取り組むべき「課題」を複数抽出し、どこから何から取り組むべきか、時には取り組む課題を変えてみるなどの工夫を加えながら、自身の「目標」に向けて進み続けることが大事です。
そのうえで、上司の皆さんは部下からの相談や質問にはすぐに答えを出さず、できるだけ部下自身で考えて答えを出させ、さらに決断することを求めることです。そして、そこで苦しみながらも自身で決断できたとき、その部下に仕事を背負う本当の意味での「覚悟」が生まれます。

組織において当事者意識をもつメンバーが多くいることは重要で、事業の発展や組織の強化に不可欠と言えます。皆さんの職場はいかがでしょうか。

カテゴリー:人事コンサルタントの雑感

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チームの生産性の向上を図るためには

2023年5月29日12:47 PM

皆さんの職場は、「心理的安全性」が高い職場と言えるでしょうか。数年前に米グーグル社が実施した調査によると、組織やチームの生産性やパフォーマンスの向上のために最も必要な要素とは、リーダーシップやメンバーの経歴、関係性、報酬などではなく、心理的安全性が大きく影響していると結論づけられています。
心理的安全性とは、誰もが安心して発言や行動ができる職場環境、自分の考えや意見などを組織やチームのメンバーとで率直に言い合える状態のことを言いますが、誰もが厳しいことは言わず、お互いに優しい言葉を掛け合える陽気で明るい職場であれば、心理的安全性が保たれ、皆が自分らしくいられるということではありません。むしろ、自分の発言によって人間関係のリスクへの懸念があったとしても、安全であると信じられる職場環境、組織の目的やゴールから逸脱しない、且つ職場秩序や指示命令系統を遵守したうえで「健全な対立」を遂行することができる職場のことを指します。

では、心理的安全性さえ確保できていれば、チームの生産性やパフォーマンスを手放しで期待できるのかといえば、そうとは言えません。心理的安全性が高い職場は、いつでも意見が言える雰囲気があるため、様々な報告が円滑に行われます。一方で、ミスやトラブルの報告もしやすくなるため、次第にミスへの抵抗感が薄れていき、個々の責任感が低くなるという考えもあります。
そこで、心理的安全性を初めて提唱したエイミー・C・エドモンドソン教授は心理的安全性と責任のバランスについて、次のように分類しています。
□心理的安全性も責任も少なければ、「無関心」
□心理的安全性が高く、責任が少なければ「気持ちよい」
□心理的安全性が低く、責任が高いと「不安」
この分類によると、チームマネジメントにおいて心理的安全性と責任とが等しく高い状態での職場環境を作っていくことが重要であることが分かります。チームの生産性の向上を図るためには、職場の心理的安全性だけでなく、それぞれのメンバーがいかに「当事者意識」をもって仕事に取り組めているかということも鍵となります。皆さんの職場はいかがでしょうか。

カテゴリー:人事コンサルタントの雑感

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部下のモチベーションやエンゲージメントを下げないために

2023年4月28日12:16 PM

幾つかの組織や企業で、社員の皆さんの人事考課や評価制度の内容について、その後のフィードバックへの参考材料としてのコメントを書かせていただく業務をお引き受けしています。何年も続けていると社員一人ひとりのこれまでの評価内容の推移の仕方によって、その成長度合いや活動の充実度などが理解できるようになります。一方で、少しずつ評価が下がってきたり、急に低評価になったなどの場合は、本人の活動を阻害する何かが起きていることのシグナルとして読み取ることもできます。

企業によって、評価要素や評価基準、評価段階は様々ですが、基本的に評価は自己評価と上司評価で評価されます。自己評価によって本人の主観的な状態が示されることになるのですが、これだけでは事実かどうかは曖昧で、そこに、上司評価によってできるだけ客観的な状態が示されることで、本人の実態の輪郭が掴めてきます。逆に言えば、上司評価だけではまだぼんやりな状態ですが、自己評価があることでピントがあうようなイメージです。

評価内容から読み取れることは社員個人の情報だけではなく、それぞれが属する職場の状態がどのようなものであるかも教えてくれます。例えば、同じ職場に属する社員のそれぞれの評価内容が低下してきている場合などは、職場の状態が良くない状態となっていることが覗えます。そうした職場の場合、職層に関係なく属する社員のほぼ全員が同じような評価傾向にあり、下がるタイミングやプロセスも同じように推移していることが殆どです。当然、評価する上司の皆さんは危機感をもち、上司所見欄などで本人に対して様々なコメントを書かれていますが、一方で、時として感じることは、そこに上司としてのマネジメントやリーダーシップがどういうものであったかが見えてこないということです。

例えば、人員不足の状態の際には、一時的に部下に兼務などの無理をさせてある程度の時期を乗り切って、業務を推し進めていかなければならない場合もありますが、上司がいつまでも適正人員規模のマネジメントをせずに職場をその状態のまま放置してしまっていては、いずれ部下は疲弊してしまい仕事へのモチベーションは低下します。
さらに、そうした状態にもかかわらず、できる部下にはさらなる要求や期待を寄せ、できない部下には指摘や叱責を繰り返すだけで、上司としての現場でのサポートやアドバイス、計画的かつ継続的な支援指導が不足していれば、部下は信頼できずに職場へのエンゲージメントを失います。

部下の評価内容から上司としての自分がどのようなものであったかがわかります。部下の評価を部下のものとしてだけと捉えるのではなく、そこから気付きや学びを得て、上司としての変化や成長に繋げていくことがとても大事なことと思います。

カテゴリー:人事コンサルタントの雑感,評価制度

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会社生活のスタートに知っておくこと

2023年3月30日10:36 AM

今年も、各企業に新卒の皆さんが入社してくるシーズンになりました。私共も、毎年いくつかの企業で新入社員の皆さんへのスタート研修をお引き受けさせていただいています。基礎的なビジネスマナーや職場でのコミュニケーション、報連相や5Sなど、新入社員の教育についてはそれぞれの企業によってお考えやご方針がお在りのことと思います。一方で、これから会社生活をスタートする若い社員の皆さんが知っておくべきことが二つあると思います。

一つ目は、人間関係の関わりの範囲の違いです。学生生活では家族や友人、先輩、教師など限られた人間関係の中で生活してきた方が多いのではないかと思います。特に、友人とのつきあいは価値観や考え方、趣味嗜好が近いコミュニティの中での行動がほとんどだったのではないでしょうか。一方で、これからの職場での生活は、不特定多数の立場や年齢、性格、価値観、考え方が違う様々な人たちと仕事を通じて関係を構築していかなければなりません。さらに、社会との関わりや顧客との関係を含めれば、より広範囲にわたります。そのため、いつまでも好き嫌いで自分の考え方や価値観だけに固執していると、次第に職場や仕事に苦しさを感じ始めてしまいます。学生の頃と違い、職場は考え方や価値観の違う人たちの集合体と心得て、そうした様々な考え方や価値観を柔軟に取り入れようと努めることで、自分がもつ潜在的可能性に気付くことができるということを理解することが必要です。

二つ目は、平等と公平の違いです。憲法で「すべての国民は法の下に平等であって」と記されている通り、すべての人は一人の人間として人権が尊重され、平等に扱われなければなりません。当然、学生生活では誰もが教育を受けられ、入学試験を除けば成績の良し悪しで区別されるようなことはあまりなかったのではないでしょうか。一方で、これをそのまま職場生活に当てはめると「不公平」が発生してしまいます。
例えば、職場が平等であれば、しっかりと成果を出す社員となかなか成果を出せていない社員でも給料は同じになってしまいます。これでは皆が不満に思うことでしょう。そのため、会社生活、職場では平等ではなく公平がルールとなっています。平等だと頑張っても差がつかず報われない状況が続きますが、公平だと会社の期待に応える成果を出し続けることができれば、公平な制度基準に則って、待遇や昇給、昇進など様々なインセンティブを受けることができ、自身のキャリアにチャンスを増やすこともできます。これを理解していないと、「会社は平等に評価してくれない」と他責し、先と同じように職場や仕事に苦しさを感じてしまいます。
平等とは差別や偏りがなく一様に扱うこと。公平とは一定の基準に応じて適切な扱いをすること。会社生活は公平がルールであることを理解してからスタートするかしないかで、この先しっかりとチャンスを掴むことができるのか、それとも途中で諦めてしまうのか、道が分かれてしまうのではないかと思います。

カテゴリー:人事コンサルタントの雑感

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