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ビジネスで重要視される目標設定について

2024年10月25日11:27 AM

目標設定とは、「目的」を達成するための行動や方針、施策を設定することであり、最終的なゴールへ向かうまでに必要な複数の要素として欠かせないものです。目標設定がビジネスで重要な理由は、進むべき方向性を明確にし、時間やコスト、労力を最小限に抑えて最短ルートで目的を達成するためです。目標の達成に必要な時間やコストの把握、リソースの適切な把握や管理に役立つ一方で、適切な目標設定ができなければ、最終的なゴールが達成されないだけでなく、達成のためにやらなければならないことを洗い出せなくなってしまうことになります。

「目的」と「目標」の違いは、「目的」は、最終的に成し遂げようとする事柄や全ての行動を方向づける根拠となるものであり、ビジネスて例えるなら、企業全体で達成したい「最終的な目標」と言えます。これに対し、「目標」は、目的を叶えるために段階的に設ける指標であり、目的を目指すプロセス上での一定期間における到達地点のようなものです。複数の目標を段階的に達成していくことで目的に近づいていくという目的を追求するための手段であり、必ず目的をベースに設定しなければなりません。

目標には発生型と設定型の二つのタイプが存在します。まず発生型は、既に発生してしまっている物事に対して設定される目標です。既存のあるべき姿と現状のギャップから発生する目標のため、誰でも理解しやすく共有も容易に行うことができます。発生型目標の設定の考え方としては、「過去⇒事実⇒問題の解決」というイメージです。一方の設定型は、自らの意志で自発的に設定する目標であり、思い描く新しいあるべき姿の提案のため、なぜその目標にしたのかを明確に言語化し、周囲を納得させるだけの根拠の説明が必要となります。考え方としては、「未来⇒意志⇒新しい価値」というイメージです。

目標の設定のプロセスについては、アメリカの学者ジョージ・ドランが提唱したゴール設定のフレームワークであるSMARTの法則が役立ちます。

  • S=Specific(具体的な):定性的な内容ではなく、数値化した定量的な内容であるか
  • M=Measurable(測定可能な):達成度合いが測定できる内容か
  • A=Achievable(達成可能な):努力すれば達成できる現実的な内容か
  • R=Relevant(関連性のある):企業のミッションや自分のなりたい姿などゴールと関連性のある内容か
  • T=Time-bound(期限のある):いつまでにどの状態を目指すか

ポイントは、ぼんやりではなく誰にでもわかるように表現すること、進行や達成の度合いを定量化して表現すること、希望や願望ではなく現実的で達成可能な内容を設定すること、組織の方針から外れない目標を設定すること、必ず明確な期限を設定すること、の五つになります。こうしたSMARTの法則に沿って考えていくことで、具体的で進捗管理しやすく、メンバーのモチベーションを維持できる「目的」をベースとした「目標」の設定が可能となります。皆さんのチームの目標はどのようなものですか。

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職場リーダーに求められる情況把握力について

2024年7月26日10:46 AM

「情況把握力」とは、2006年に経済産業省が職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力として提唱した社会人基礎力の12の要素の中の1つであり、「自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する力」と定義されています。

組織やチームの活動において、計画通りに進むことは稀であり、目標に向かって進むプロセスで問題やトラブルが発生した際、リーダー自身やメンバーの「情況」を把握し、それぞれがとるべき具体的な行動の理解と共有が求められます。「情況」とは、物事のその時々の在り様のことであり、様々な事象や人々の仕事、感情などを客観的かつ論理的に理解すると同時にポジティブな面もネガティブな面も把握し、問題点やリスクを事前に察知するための「情況把握力」は、職場リーダーにとって非常に重要なスキルと言えます。一方で、情況把握力を単に「状況」を把握する能力と理解しているビジネスパーソンは少なくありません。

「情況把握」と似た言葉に「状況把握」という言葉があり、読み方は同じですが、それぞれには意味の違いがあります。「情況把握」が、自分自身を理解することは勿論、周囲のメンバーの内面や関係性にも思量を及ばせることであることに対して、「状況把握」は、自分自身やその立場、環境などの情報を収集し理解することであり、自分とメンバーの内面や関係性にまで焦点を当てておらず、主体的に行動することも限定されていません。そのため、いくら「状況把握」が優れていたとしても、必ずしもチーム内が活性化、機能化する保証がない点が「情況把握」との大きな違いとなります。

「情況把握力」を構成する3つの要素の一つ目は、言わずもがな、自分や相手が置かれている状況を把握し、物事との関係性を理解することであり、当然、状況の変化に気付くことやリスクを想定することも含まれます。さらに、一から十までの全てについての情報を収集することが出来なくても、推測し本質を見抜くことを起点にして自分で考え、全体像を捉えていくことも求められます。こうした意味で考えると「空気を読む力」とも言えるのかも知れません。

二つ目は、優先順位をつけて、すべきことを考えることです。例えば、店長から商品棚の整理をするよう指示されたタイミングで、急にレジ前に多くの来店者が並び始めてしまったとします。ここで優先されるべきは来店者へのレジ対応であり、優先順位は、まず「レジ対応」、次に「商品棚の整理」となります。極めてシンプルな例ではありますが、仕事では複数の物事を同時に進めなければならない場面もあるため、変化し続ける状況に対して、正しい優先順位を選択し実行していくことが求められます。

三つ目は、先を見通し行動に移すことです。組織が利益を生み出し続けるには、現状を把握し、この先に起こる変化に常に対応していかなければなりません。例えば、新しい工事計画を実行する際、全くトラブルがなく計画通りに進むとは限らず、どこかで不具合が生じたり、クレーム等が発生するケースも考えられます。そのため、トラブル等が起きた時でも対応できるよう、様々なパターンを考えておくことがとても大事な段取りとなります。さらに、「情況把握力」が高いビジネスパーソンであれば、冷静に状況を把握して最悪の場合も想定しながら行動できるため、将来的に経営やマネジメントにかかわるポジションなども期待される存在ともなり得ることができます。皆さんの職場のリーダーの「情況把握力」はいかがですか。

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ビジネスパーソンに求められる計画力について

2024年6月25日11:09 AM

組織には目指すべき目的を実現するために、経営計画、事業計画、チームや個人の計画など、多くの計画が存在し、組織の中で仕事をするためには、周囲の人たちとの協力は欠かせません。そのため、そうした周囲の人たちに納得して仕事してもらうためにも、期限までに実行完了するために必要な目標やタスク、リソースなどを明確にし、タイムラインを設定した計画が必要不可欠と言えます。

一方で、計画を立てることができれば仕事が進むというわけではなく、計画には想定外の事態やトラブル等の発生が憑きものであり、そうしたトラブルを想定していなければ、対策が遅れるばかりでなく、さらなるトラブルを誘発し、問題を拡大させてしまうリスクも生じかねません。そのため、ただ計画を立案するだけでは不十分であり、実行可能な計画であることや状況に応じて修正できることがとても大事なこととなります。

そこで求められるのが計画力です。計画力とは、2006年に経済産業省が提唱した「社会人基礎力」の1つであり、「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」の3つで構成されており、計画力は、「考え抜く力」の一要素として位置づけられています。

ビジネスパーソンに計画力が必要な理由の一つ目は、どんな業務にも時間的制約があることにあります。顧客からの信頼を保つためにも、納期の遅れは許されず、当然ながら、工程やタスクごとに進捗を守ることが求められます。一方で、計画力が低ければ、工程数の見積もりや時間配分に無理が生じ、納期の遅れを引き起こしかねなません。そのため、あらゆるタスクを列挙し、それらに優先順位をつけ、適切に時間を見積もる計画力はビジネスパーソンにとってとても大事なスキルの一つと言えます。

二つ目は、言わずもがな、スケジュールの調整です。時間的制約があるからこそ、スケジュールの調整が必要であり、元々の計画に対して、遅延がどの程度の影響があるか、どのタイミングで調整すべきかを判断しなければなりません。さらに、業務には不確実性があり、外部環境の影響に左右されるため、長期的な計画ほど、計画通りに進まないことは珍しいことではなく、計画力が高ければ、想定外の事態にも複数の次善策を見出すことができます。

三つ目は、業務の効率化です。タスクに充てられるリソースには限りがあるため、効率的な手順や方法でスケジュールを進める必要があります。計画力が高ければ、優先順位を明らかにすることができ、必要のない作業に時間を割いて未完了のタスクが増えるということも回避できます。そのため、メンバーの抱える負担が軽減され、業務の質を落とすことなく、業務を効率化させることが可能となります。

このように、計画力はビジネスパーソンにとって必要不可欠なスキルと言っても過言ではないと思います。皆さんの職場はいかがですか。

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業務プロセスで繰り返される状況判断について

2024年3月26日12:21 PM

我々は意識、無意識にかかわらず、多くの判断を日々の業務の中で繰り返しています。そのため、より効果的な判断や決断が求められると同時に、それは選択を誤ればリスクを伴う可能性もある重要な行為とも言えます。一方で、チームメンバー一人ひとりの判断力や決断力が向上すれば、チーム全体の生産性が向上し、日常業務の遂行をスムーズにするだけでなく、チームの目標達成においても非常に効果が期待できます。

まず、何かを判断する際には、その裏付けとなる情報やデータが必要となります。過去から現在に至るまでの様々な情報やデータを整理し、そのうえで「だから、こう判断する」という、理由や根拠に基づいて客観的に行われます。例えば、出勤時に外に出たとき、空の様子が怪しかったとします。そこで、スマホで天気予報を確認し降水確率が高いという情報を得て、雨が降ると判断する、という感じです。つまり、判断とは、現状分析と情報収集に基づく頭の中の整理であり、既存の物事に対して評価をすることであるため、決定する対象は「現在」であり、その先の決断における検討材料の一つとも言えます。

次に、決断の対象となるのは、現在だけでなく「未来」に向けて及ぶものであり、決断されたことには必ず行動が伴います。先の例えで言えば、雨が降ると判断したことにより、傘を持っていくと決断する、というようなイメージです。これは、所謂「ソラ・アメ・カサ」という、論理的思考のフレームワークの一つでもあります。

さらに例えるなら、取引先から「商品の価格をもう少し下げられないか」との要望があった際、値下げすることによって、生じるメリットとデメリットを整理して値下げできると判断し、そこから、取引先との関係性や要望のレベル等を考慮して最終的に値下げするのか、しないのかを決断する、といった感じです。

一方で、判断するための条件や情報は揃っているのに、判断しないまま放置してしまっていたり、判断に基づかない決断をしてしまったりすれば、仕事が前に進まなくなるだけでなく、ケースによっては重大なリスクも伴いかねません。

そうしたリスクを抑止するためには、まず、目先の問題だけに意識が囚われていないかを疑うことが必要です。目の前に問題となって見えている事象だけに対処しようとすると、一見、問題が解決したように見えても、根本の阻害要因の排除や解消には至らず、結果的に却って手間やコストが増えてしまい、むしろ効率が悪くなってしまう事態に陥りかねません。誤った判断や決断をしないためにも、目先の問題だけに囚われないようにすることがとても大事です。

次に、自分一人で決められることなのか、自分だけでは決められないことなのか、の2つに振り分けて考えることです。自分一人で決められるのであれば、即座に判断、決断し、自分だけで決められないのであれば、誰の許可や判断が必要なのかを確認しスピーディに必要な行動をとることで、自分一人で決められるのにもかかわらず、初動で遅れをとってしまうような事態を防ぐことができます。

そして、「できるのか、できないのか」「やるべきか、やらないべきか」を考えます。まず、対象となる選択が「できるのか、できないのか」を判断します。さらに、「やるべきか、やらないべきか」については、どんな事案や問題だとしても、組織にも個人にも対応できることとできないことがあり、組織の企業理念や個人の立場、役割といった視点から判断されるため、実現可能であることと、やるべきかどうかは別の判断となります。もし、それが「できないけれど、やるべき」であったなら、実現不可能な理由を洗い出し、いかに可能にするかを検討するなど、シンプルでクリアな判断ができるようになります。

ビジネスの様々な場面で、時として難しい判断や決断を迫られることは屡々です。そうした際に、いかに最終的に自分で責任をもって主体的に物事を決めることができるかが、ビジネスパーソンには求められます。皆さんの職場はいかがですか。

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これからの上司の在り方について

2024年1月30日11:05 AM

このブログをみていただいてる皆さんは部下をもつ上司やリーダー等の役割を担われている方が多いのではないでしょうか。

上司の役割は「チームの目標の達成」「意思決定」「部下の指導育成」「組織理念の浸透」など様々ありますが、このような一つひとつの役割の過程や結果においてその責を負うことが上司にとっての最大の役割と言えます。たとえ、タスクを部下に任せたとしても、そのタスクに対する過程、結果の責任は常に上司にあり、問題があれば上司はその責を負わなければなりません。もし部下がトラブルやミスを犯してしまった際、𠮟りつけるだけで上司がその責任を負うことをしないなら、上司の役割は果たしていないということになります。

そういう意味では上司はあまりいい役回りであるとは言えないのかもしれません。若いビジネスパーソンの中には責任が増すことを嫌がり、出世や昇進に消極的な方も少なくないようです。

チームをどのように運営し、その目標が達成され、さらに部下の育成が促進される環境を形成していくか。そのためには「仕事の意義と目的の理解の促進」「必要とされていることの実感演出」「キャリアプランの段階作り」を部下に波及していくことで、上司と部下との関係性を構築し、一人ひとりを活かすチームを作っていくことが求められます。

上司の皆さんにおかれては、上司としてそれぞれの上司像や考え方がお在りのことと思います。一方で、いまは当たり前と思われてきた従来のやり方では、その役割を果たすことは難しく、現代の若者を取り巻く環境と時代背景の変化の中で、上司自らがやり方を変え、この時代に適した部下とのコミュニケーションを設計する必要があるように思います。

良くも悪くも同質性が求められ、所謂「~すべき論」の教訓を受けて、部下がひたすらに指示通り働いていればいいという考え方の時代は終わり、これからは「多様性」や「創造性」が価値をもつ時代となり、部下一人ひとりの価値観を理解して個々の特性を伸ばし活かしていく事が求められています。そのためには、上司自身が自分と向き合って、どう変わっていけるかがカギとなります。

部下を伸ばすために、その「違い」を認め、立場で指示命令するだけでなく、部下が変わるの待つだけでなく、上司側が理解して積極的に部下に働きかけていくことが必要です。皆さんは、どのように思われますか。

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職場の業務効率の改善について

2023年12月25日12:14 PM

皆さんの職場の業務効率はいかがでしょうか。前回ご紹介しました長時間労働の上限規制への対応のためにも、業務効率の改善は職場の必須の課題となっているのではないでしょうか。

そうした業務効率改善のための効果的な方法の一つとして「ECRSの原則」というものがあります。これは効率改善を実施する際の順序をまとめたものであり、Eliminate:排除「やめられないか」、Combine:統合「まとめられないか」、Rearrange:再編成「入れ替えられないか」、Simplify:簡素化「簡単にできないか」の頭文字をとった改善方法です。

ここで注意すべきは、「排除」⇒「統合」⇒「再編成」⇒「簡素化」の順番で進めていくことです。業務効率の改善を図ろうとすると、どうしても簡素化やマニュアル化等から着手したくなりがちですが、簡素化からスタートしてしまうと、もともとの業務に簡素化するための活動がプラスされて逆にタスクが増えてしまうことで途中で頓挫する可能性が高く、上手く行きにくい傾向があります。そのため、まずは「排除:やめること」から着手します。但し、「やめること」は今までの前例を覆すことでもありますので、個々のメンバーの判断で勝手に行うことはできません。そこで、上司やリーダーが主導して職場メンバーの意見を取り入れながら「やめること」を決めていくことがポイントとなります。

まず、「Eliminate:排除」ですが、各業務で行っている内容の具体的な理由や目的を洗い出します。もし明確な理由や目的が見当たらない場合、その業務は慣例化していただけという可能性が考えられます。ムダな業務を排除することで、パワーやコスト、時間を削減することができます。

次に、「Combine:統合」では、類似しているのに別々進めていた業務を一本化することで効率が向上できるかどうかを検討します。一方で、場合によっては分離されていた方が却って効率が良いケースもあるため、柔軟な考え方で取り組むことがポイントです。

三つ目の「Rearrange:再編成」とは、業務の順序や配置、場所、担当者等を入れ替えることで効率を向上できないかを検討することです。たとえ、短縮するタクトタイムが少なくても、長期的に捉えれば大きな業務改善やコスト削減に繋がります。

そして、最後に「Simplify:簡素化」です。業務の一部をパターン化、オートメーション化するなど、できるだけ単純で簡単な方法に変えることができないかを検討します。業務を簡素化することで、誰でも同じクオリティの作業ができるようになるため、業務の属人化の防止やミスの減少が可能となります。

業務タスクは時間の経過と共に増加し続ける傾向があります。そのため、半年ほどのペースでこうした業務効率を継続的に見直すことで定期的にタスクを減らしていくことが必要です。さらに、継続的な業務効率改善による長時間労働の是正が実現すれば、ワークライフバランスに優れた職場体制が構築され、離職率が低下することで将来の経営基盤の強化にも繋がります。皆さんの職場はいかがですか。

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ビジネスパーソンに必要な論理的思考について

2023年8月29日10:24 AM

皆さんの職場の社員の皆さんは論理的思考に基づいた行動ができていますでしょうか。ビジネスパーソンとしてキャリアを形成していくうえで、若手のうちに意識しなくても自然に論理的思考ができるようにしておくことはとても大事なことです。

論理的思考とは、複雑な事柄を整理してシンプルにしていく思考方法、物事を体系的に整理して矛盾や飛躍のない思考方法のことを言います。日々の仕事のなかには、実際に取り組むと様々なことが複雑に絡みあい、どこから手を付けたらいいのかわからないことがあります。そのような際に、論理的思考が役立ちます。ここで大事なことは、事の因果関係が整理できていて、ちゃんと成立しているかどうかです。一方で、論理的思考ができていないと、根拠がない個人の主観的見解に過ぎず、単なる思い付きと捉えられてしまったり、報告の際などには、上司から「結局、何を言いたいのかわからない」と思われてしまいます。

論理は、「前提」「推論」「結論」の3つの構成要素から成り立っており、論理的思考とは、「前提」と「推論」から「結論」を導く考え方です。論理的思考では、「結論」とその理由が必要であり、「推論」には「だから」「なぜなら」などの「結論」を導くための理由付けの役割があります。ここで注意すべきことは、ビジネスにおける「結論」の意味合いは学問的なそれとは違い、「結論」に「だから何なのか」というメッセージ性がなければ意味がなく、何らかの次へのアクションに繋がっている必要がるということです。

こうした論理的思考を日常的に特別意識することなくできるようになれば、コミュニケーション能力が向上し、相手の意見や考えを正確に理解することや自分の意見や考えを相手に理解してもらうことができるようになります。さらに、問題解決能力や提案力の向上も期待できます。論理的思考はビジネスパーソンにとって必要不可欠なスキルであり、あらゆる業務をこなす上でのベースです。皆さんの職場は、いかがですか。

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仕事を推進していくうえで必要不可欠な実行力について

2023年7月27日11:14 AM

皆さんの職場の社員の皆さんには「実行力」がありますか。実行力とは、目標へ向けて計画を立て、最後までやり遂げる力であり、「計画性」「行動力」「継続性」などを兼ね備えた能力のことです。また、2006年に経済産業省が提唱した「社会人基礎力」の1つでもあり、そこでは「目的から目標を設定し、確実に行動する力」と定義されています。
一見すると、経営者に必要とされる実現力と混同されがちですが、その違いは実現力が成功することが前提であるのに対して、実行力は「成功であろうと、失敗であろうと、その経験を糧にして前進し続ける力」であるということです。そう捉えると、社員にとっては仕事への取り組み方の根本を支える部分であるということが理解できます。

そんな実行力の発揮を阻害する要因の一つとして、「目的」と「目標」の違いをしっかり理解していないことが挙げられます。目的とは、最終的に成し遂げたい事柄、その行動を方向付けるものであり、所謂「何のために」です。一方で、目標とは、目的を叶えるために段階的に設ける指標のことであり、「目的にどう近づいていくか」です。これがしっかりと区別できていないと、どこか曖昧な目標設定しかできずに取り組み自体が自然と形骸化し始めます。
もう一つは、「課題」の捉え方です。課題も問題と混同されがちですが、問題とは、目指すべき姿である目的や目標と現状とのギャップであり、課題は問題を解決していくための具体的な取り組みや手段のことを言います。
例えば、目的を「健康的な体つくり」とするなら、1段階目の目標を「3か月で5kg痩せる」とします。このときの問題は「5kg」という現状とのギャップであり、そのためにはどのような課題があるかを抽出することが求められます。この場合、ジョギングやダイエットなど、これ以外にも課題はいくつも抽出することが可能であり、それのどれをチョイスして取り組んでいくか、そして、それをどう特別意識して行う必要がないように日常の中でルーチン化していくか、さらに、漠然とがむしゃらに続けるのではなく、効果が出ないようであれば、やり方に固執せず、課題(手段)を変えて取り組み直すなど、柔軟な対応が必要となります。課題を変えただけで目標は変えていないので、やり続けることには変わりなく、もっと言えば、目標の達成に至るなら、どんなルートを選んでも途中で手段を変えてもいいということです。
このようなことが理解できていないと、たった1つの課題への取り組みで効果が出ないだけで諦めてしまい、それがパターン化してしまうことで、何事にも積極的にチャレンジするという意識が希薄になってしまいます。

実行力は社員の皆さんにとって、それぞれの目標達成へ向けて仕事を推進していくうえで必要不可欠なスキルです。皆さんの職場はいかがですか。

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部下の当事者意識について

2023年6月29日12:37 PM

皆さんの職場の社員の皆さんは「当事者意識」をもって仕事に取り組むことができていますでしょうか。日々の業務を自分事として捉えて取り組むことができていれば、仕事自体に面白みが生まれ、前向きな行動や業務に対する工夫が増えることで、業務の成果が向上し、さらに社員同士または職場間の連携も活性され、組織としての総合力も向上します。一方で、社員の当事者意識が低下し続けてしまえば、組織の成長は鈍化し、停滞や形骸化に陥ってしまう可能性が高まります。

社員の皆さんの当事者意識が低下している傾向として、何でも指示待ちで言われたことしかやらないことや責任感が希薄であきらめが早い、自分の仕事以外に関心がなく、積極的に周囲と協力するなどの姿勢がみられないことなどが挙げられます。
そうした当事者意識が低下してしまう理由には、職場での自分の役割や目標が理解できていないことや評価基準がわかりくいことなどがありますが、中でも、仕事量が多すぎることは大きな要因のようです。例えば、仕事が多すぎることで、物理的にも精神的にも余裕がなくなり、自分のことで精一杯で周囲の状況が把握できずに自分がとるべき行動のレベル感がわからなくなってしまいます。そのため、自分の担当業務以外に関心がもてなくなり、積極的な提案や行動を避けるようになり、受け身の姿勢に終始するといった状態になってしまうという傾向があります。
他にも、保守的で変化を嫌う職場風土も当事者意識を低下させる理由として挙げれます。特に日本人は周囲と足並みを揃えたがるため、敢えて輪から外れるような行動を恐れます。変化をストレスと捉え、新たなチャレンジをしない雰囲気が職場に蔓延していれば、積極的に行動しょう、新たな取り組みにチャレンジしようとする社員が現れることはないでしょう。

このような状態を抑制し、それぞれの社員の当事者意識を醸成していくためには、まず本人の現在の状態と理想のイメージとのギャップを捉え「どうしていくべきか」の目的意識をもたせることです。この目的意識が明確であればあるほど「このままではまずい」という危機意識が高まります。そして、この危機意識が自己改革の起点となって「目標」に向けての新しい行動に繋がっていきます。あるべき姿と現状のギャップから自分自身の「問題」を捉え、その問題を解決していくために具体的に取り組むべき「課題」を複数抽出し、どこから何から取り組むべきか、時には取り組む課題を変えてみるなどの工夫を加えながら、自身の「目標」に向けて進み続けることが大事です。
そのうえで、上司の皆さんは部下からの相談や質問にはすぐに答えを出さず、できるだけ部下自身で考えて答えを出させ、さらに決断することを求めることです。そして、そこで苦しみながらも自身で決断できたとき、その部下に仕事を背負う本当の意味での「覚悟」が生まれます。

組織において当事者意識をもつメンバーが多くいることは重要で、事業の発展や組織の強化に不可欠と言えます。皆さんの職場はいかがでしょうか。

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チームの生産性の向上を図るためには

2023年5月29日12:47 PM

皆さんの職場は、「心理的安全性」が高い職場と言えるでしょうか。数年前に米グーグル社が実施した調査によると、組織やチームの生産性やパフォーマンスの向上のために最も必要な要素とは、リーダーシップやメンバーの経歴、関係性、報酬などではなく、心理的安全性が大きく影響していると結論づけられています。
心理的安全性とは、誰もが安心して発言や行動ができる職場環境、自分の考えや意見などを組織やチームのメンバーとで率直に言い合える状態のことを言いますが、誰もが厳しいことは言わず、お互いに優しい言葉を掛け合える陽気で明るい職場であれば、心理的安全性が保たれ、皆が自分らしくいられるということではありません。むしろ、自分の発言によって人間関係のリスクへの懸念があったとしても、安全であると信じられる職場環境、組織の目的やゴールから逸脱しない、且つ職場秩序や指示命令系統を遵守したうえで「健全な対立」を遂行することができる職場のことを指します。

では、心理的安全性さえ確保できていれば、チームの生産性やパフォーマンスを手放しで期待できるのかといえば、そうとは言えません。心理的安全性が高い職場は、いつでも意見が言える雰囲気があるため、様々な報告が円滑に行われます。一方で、ミスやトラブルの報告もしやすくなるため、次第にミスへの抵抗感が薄れていき、個々の責任感が低くなるという考えもあります。
そこで、心理的安全性を初めて提唱したエイミー・C・エドモンドソン教授は心理的安全性と責任のバランスについて、次のように分類しています。
□心理的安全性も責任も少なければ、「無関心」
□心理的安全性が高く、責任が少なければ「気持ちよい」
□心理的安全性が低く、責任が高いと「不安」
この分類によると、チームマネジメントにおいて心理的安全性と責任とが等しく高い状態での職場環境を作っていくことが重要であることが分かります。チームの生産性の向上を図るためには、職場の心理的安全性だけでなく、それぞれのメンバーがいかに「当事者意識」をもって仕事に取り組めているかということも鍵となります。皆さんの職場はいかがでしょうか。

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部下のモチベーションやエンゲージメントを下げないために

2023年4月28日12:16 PM

幾つかの組織や企業で、社員の皆さんの人事考課や評価制度の内容について、その後のフィードバックへの参考材料としてのコメントを書かせていただく業務をお引き受けしています。何年も続けていると社員一人ひとりのこれまでの評価内容の推移の仕方によって、その成長度合いや活動の充実度などが理解できるようになります。一方で、少しずつ評価が下がってきたり、急に低評価になったなどの場合は、本人の活動を阻害する何かが起きていることのシグナルとして読み取ることもできます。

企業によって、評価要素や評価基準、評価段階は様々ですが、基本的に評価は自己評価と上司評価で評価されます。自己評価によって本人の主観的な状態が示されることになるのですが、これだけでは事実かどうかは曖昧で、そこに、上司評価によってできるだけ客観的な状態が示されることで、本人の実態の輪郭が掴めてきます。逆に言えば、上司評価だけではまだぼんやりな状態ですが、自己評価があることでピントがあうようなイメージです。

評価内容から読み取れることは社員個人の情報だけではなく、それぞれが属する職場の状態がどのようなものであるかも教えてくれます。例えば、同じ職場に属する社員のそれぞれの評価内容が低下してきている場合などは、職場の状態が良くない状態となっていることが覗えます。そうした職場の場合、職層に関係なく属する社員のほぼ全員が同じような評価傾向にあり、下がるタイミングやプロセスも同じように推移していることが殆どです。当然、評価する上司の皆さんは危機感をもち、上司所見欄などで本人に対して様々なコメントを書かれていますが、一方で、時として感じることは、そこに上司としてのマネジメントやリーダーシップがどういうものであったかが見えてこないということです。

例えば、人員不足の状態の際には、一時的に部下に兼務などの無理をさせてある程度の時期を乗り切って、業務を推し進めていかなければならない場合もありますが、上司がいつまでも適正人員規模のマネジメントをせずに職場をその状態のまま放置してしまっていては、いずれ部下は疲弊してしまい仕事へのモチベーションは低下します。
さらに、そうした状態にもかかわらず、できる部下にはさらなる要求や期待を寄せ、できない部下には指摘や叱責を繰り返すだけで、上司としての現場でのサポートやアドバイス、計画的かつ継続的な支援指導が不足していれば、部下は信頼できずに職場へのエンゲージメントを失います。

部下の評価内容から上司としての自分がどのようなものであったかがわかります。部下の評価を部下のものとしてだけと捉えるのではなく、そこから気付きや学びを得て、上司としての変化や成長に繋げていくことがとても大事なことと思います。

カテゴリー:人事コンサルタントの雑感,評価制度

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会社生活のスタートに知っておくこと

2023年3月30日10:36 AM

今年も、各企業に新卒の皆さんが入社してくるシーズンになりました。私共も、毎年いくつかの企業で新入社員の皆さんへのスタート研修をお引き受けさせていただいています。基礎的なビジネスマナーや職場でのコミュニケーション、報連相や5Sなど、新入社員の教育についてはそれぞれの企業によってお考えやご方針がお在りのことと思います。一方で、これから会社生活をスタートする若い社員の皆さんが知っておくべきことが二つあると思います。

一つ目は、人間関係の関わりの範囲の違いです。学生生活では家族や友人、先輩、教師など限られた人間関係の中で生活してきた方が多いのではないかと思います。特に、友人とのつきあいは価値観や考え方、趣味嗜好が近いコミュニティの中での行動がほとんどだったのではないでしょうか。一方で、これからの職場での生活は、不特定多数の立場や年齢、性格、価値観、考え方が違う様々な人たちと仕事を通じて関係を構築していかなければなりません。さらに、社会との関わりや顧客との関係を含めれば、より広範囲にわたります。そのため、いつまでも好き嫌いで自分の考え方や価値観だけに固執していると、次第に職場や仕事に苦しさを感じ始めてしまいます。学生の頃と違い、職場は考え方や価値観の違う人たちの集合体と心得て、そうした様々な考え方や価値観を柔軟に取り入れようと努めることで、自分がもつ潜在的可能性に気付くことができるということを理解することが必要です。

二つ目は、平等と公平の違いです。憲法で「すべての国民は法の下に平等であって」と記されている通り、すべての人は一人の人間として人権が尊重され、平等に扱われなければなりません。当然、学生生活では誰もが教育を受けられ、入学試験を除けば成績の良し悪しで区別されるようなことはあまりなかったのではないでしょうか。一方で、これをそのまま職場生活に当てはめると「不公平」が発生してしまいます。
例えば、職場が平等であれば、しっかりと成果を出す社員となかなか成果を出せていない社員でも給料は同じになってしまいます。これでは皆が不満に思うことでしょう。そのため、会社生活、職場では平等ではなく公平がルールとなっています。平等だと頑張っても差がつかず報われない状況が続きますが、公平だと会社の期待に応える成果を出し続けることができれば、公平な制度基準に則って、待遇や昇給、昇進など様々なインセンティブを受けることができ、自身のキャリアにチャンスを増やすこともできます。これを理解していないと、「会社は平等に評価してくれない」と他責し、先と同じように職場や仕事に苦しさを感じてしまいます。
平等とは差別や偏りがなく一様に扱うこと。公平とは一定の基準に応じて適切な扱いをすること。会社生活は公平がルールであることを理解してからスタートするかしないかで、この先しっかりとチャンスを掴むことができるのか、それとも途中で諦めてしまうのか、道が分かれてしまうのではないかと思います。

カテゴリー:人事コンサルタントの雑感

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職場での無自覚なパワハラを防ぐために

2023年2月27日10:32 AM

2020年6月1日から大企業で、2022年4月からは中小企業で改正労働施策総合推進法、いわゆるパワハラ防止法が義務付けられています。
パワハラ防止法では、パワハラを「職場において行われる優越的な関係を背景とした言動」と定義しており、どのような言動がパワハラにあたるのかを示しました。現在、多くの企業で、相談窓口の設置や規定の整備、研修会などの対応を進められていますが、形通りのやり方だけでは、なかなか職場でのパワハラは減らないのが実状のようです。

先日、ある企業でパワハラにあたる事態が発覚しました。幸いなことに、会社側の事実確認と対応が早く適切であったために、当該社員は休職も退職もすることはなく事なきを得ましたが、同じ上司の下で従事していた別の社員が体調不良で休職しており、実はその社員の本当の休職理由も、やはり当該上司から受けたパワハラが原因のようでした。環境を変えことで復職を打診しましたが、その社員は退職を選択され、残念ながら遅きに失してしまいました。

どうして、このようなパワハラ行為が無くならないのか。それは「無自覚によるパワハラ」が多いことのように思います。実際に、先の事案の上司についても、普段は真面目で仕事熱心であり、敢えてパワハラを行うような人物ではなかったようです。例えば、人事部がパワハラ注意人物として把握している社員が2割とするなら、8割の社員はマークされていないわけで、その中から無自覚な言動によるパワハラが発生してしまうということが考えられます。すなわち、強く熱心な上司ほど、部下に対して「指導している」「教育している」と思っていても、部下によっては「パワハラを受けた」と感じてしまうわけです。
さらに、パワハラというと厳しい言葉や叱責が原因と捉えられがちですが、「期待しているよ」「しっかり頼むよ」と結果的に長時間労働を強いてしまっているケースも挙げられます。部下は全くパワハラを受けているつもりはないので、上司の期待に応えようと、心身ともに疲弊するまで働いて結局休職してしまうことにもなりかねません。

そうした上司、部下ともに悲劇となってしまうような事態を防ぐためにも、自分本位な考えや価値観を頭ごなしに押し付けるのではなく、一人ひとりの社員の特性によってどのようなコミュニケーションをとるべきかの意識をもって、職場の皆が無自覚を自覚に変えていくことが求められているのではないかと思います。

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仕事の時間管理について

2023年1月28日10:34 AM

皆さんの職場では、それぞれが仕事についての時間管理を適切に行えていますでしょうか。
「時間」は、皆に平等に与えれている一方で、同じ時間でもどのように工夫して活用するかによって、成果が大きく変わる性質をもっています。時間管理の目的は「仕事において成果を上げる」ことですが、さらに言えば「成果を上げるための仕事に注力できるようになる」ことと言えます。

日々の仕事に振り回されることなく、適切な仕事に適切な時間を使うことによって成果を上げられるようになるには、時間管理能力の向上が必要不可欠です。そのためには、自分の仕事の全体像を理解、把握したうえで、何から取り組むべきなのかの優先順位をつけて、効率よく質の高い仕事ができるように努力することが求められます。

まず、自分が普段どんな仕事を行っているかを洗い出すことです、日々の仕事に忙しく埋没していると、行っている仕事の全体像が見えなくなってしまっていることがあり、適切な仕事に適切な時間を使うことが難しい状態となっている場合があります。まず、どんな仕事にどれだけの時間を使っているのかを把握することが必要です。

次に、洗い出したそれぞれの仕事について、想定している仕事にかかる時間と実際に使っている時間のズレを可視化します。洗い出した業務を行いながら、実際にかかった時間を確認することで、想定より時間を使ってしまっている仕事や逆に時間をかけないでも出来ている仕事が見えてきます。

そして、自分の仕事において本当は何に最も時間をかけるべきなのか、反対にあまり時間をかけるべきではない仕事は何なのか、を整理することです。業務を重要度と緊急度の二軸で、重要度では成果につながる業務かどうか、緊急度では期限が近いかどうか、などで四象限に分けて、自分自身の仕事領域を改めて整理することが必要です。

さらに、把握した一つひとつの業務にかかる作業時間をもとに、整理した重要度と緊急度の仕事領域によってどれから着手すべきか、仕事の状況に合わせて優先順位をつけることです。ここで大事なことは、いかに「重要でも緊急でもない仕事」を削除し、「重要ではないが緊急な仕事」にかける時間をコントロールし、未着手になりがちな「重要だが緊急ではない仕事」に使うべき時間を確保するかということです。できれば、イレギュラーに発生する仕事に対応するための余白を作っておくことも必要です。

日々、目の前の急ぎ行わなければならない「作業」だけに追われている状態を改善するためには、仕事における適切な時間管理が必須です。皆さんの職場はいかがですか。

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組織における情報共有について

2022年10月27日11:25 AM

コロナの水際対策としての入国制限が緩和され、観光地にインバウンドの賑わいが戻りつつあります。一方で、ウクライナ侵攻や円安の影響による輸入資源不足や物価高騰の懸念がさらに続いています。

皆さんの職場では「情報共有」をどのように図られていますでしょうか。情報共有は各職場や個々の社員が有する様々な情報やスキル、経験等を社内やチームで共有し活用することによって、生産性や効率性だけでなく個々のスキルの向上に役立てるための仕組みです。その方法には、クラウドやフォルダ等に情報を集めて共有する方法や情報共有ツールを導入してシステム化して共有するなど多々あります。

しかし、折角そうした情報共有のための仕組みを取り入れても、社員が積極的に活用しようとしていなければ何の意味もありません。逆に、情報共有に対して非協力的な社員がいることでさらに属人化が進んでしまったり、正しく情報共有ができない社員によって予想だにしなかったトラブルを招いたり、ビジネスチャンスを失ったりということも起こりかねません。例えば、スケジュール等を正しく共有できない社員の場合、重要な打ち合わせやプロセスが生じたときなどに都度再確認が必要となり、かえって効率性が下がってしまいます。

社員が積極的に活用しようとしない原因の一つに、忙しさのあまり情報共有が面倒であったり、情報共有の活用の仕方がわからないことなどがあげられます。まず、「なぜ、情報共有が必要なのか」、情報を皆で活用することの理解が必要です。次に、情報共有を行いやすくするための方法とルールの明示です。マニュアル化や具体的な情報の伝え方、まとめ方などをフォーマット化しておくなどすると社員全員が同じ認識をもって共有しやすくなります。そして、スタートから組織全体で進めるのではなく、小規模、少人数から始めて徐々に習慣づけていくことです。そこで滞るところがあれば、方法やルール等の改善を図り、それを前例として少しずつ全社へと範囲を広げていくことです。

もう一つは、情報共有を嫌がる社員の存在です。例えば、「折角独占している情報をわざわざ他人に漏らしたくない」と業務の見える化を嫌がる社員や「情報共有から得る恩恵は自分にはない」と思っている一見優秀そうに見える社員、そもそも業務姿勢が意欲的とは言い難い社員の存在です。彼らについても、業務の可視化による組織全体のメリットの理解と短いスパンで一気に情報共有のスタートを進めないことなど共通していますが、それに加えて、有益な情報共有に対しては人事考課や非金銭的インセンティブなどで評価を与えることです。

個々の仕事の成果を重視することはとても大切ですが、そのことを意識するあまり、一部の社員が情報共有をマイナスとして捉えてしまうことがないように、良い情報共有に対してはしっかり評価することで、協力的に情報を提供する社員と共有を嫌がる社員とで二分され、職場モラールが低下してしまうことを防ぐと同時に、現場に混乱が生じないように職場ごとに段階的に導入していくことがとても大事です。
皆さんの組織ではどのように進められていますか。

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職場機能を蝕む些細な行為について

2022年9月28日5:03 PM

9月に入り3つの台風が次々と列島を直撃し、各地で甚大な被害を及ぼしています。そうした中、海の向こう英国では故エリザベス女王の、わが国日本では故安倍元首相の国葬が賛否のなか執り行われました。

先月のブログで成長できる社員とそうでない社員との違いについての私見をここで書かせていただきましたが、生産効率の面で言えば差はあるにせよ、成長の遅い社員であっても決して職場に迷惑をかけているわけではありません。不器用な社員であってもある程度の貢献を果たしている社員は少なくないと思います。

一方で、優秀であるかないかにかかわらずリスキーなのは、上司の問いや報告の際に嘘をついたり誤魔化したりする社員です。職場でそのような行為をすることはあり得ないことですが、実際は見逃してしまっているだけで多くの職場で日常的に行われがちです。
ここで厄介なことは、そうした社員の殆どは意図的にそうしたことを繰り返しているのではなく、無意識に行ってしまっているということです。誰にでも、うっかり忘れてしまうようなミスはあると思いますが、そうした際に素直にミスを認めるのではなく、反射的に誤魔化すことを習慣化してしまっている社員がいるということです。
例えば、上司が「頼んでいたあの仕事をやっておいてくれた?」と聞くとします。すると、聞かれた社員は「いま、やろうと思っていました」と答えます。日常的に行われているであろう非常に些細な会話ですが、こうした答えを返す社員には少々注意が必要に思います。こうした社員の中には、ちょくちょく遅刻をしたり、報連相が曖昧だったり、提出物を期限までに出さなかったり、離席が多いようなことなどがあるのではないでしょうか。
どのような理由があったにせよ、上司に催促されるまで頼まれた仕事を放置してしまっていたことを認めずにうまく誤魔化そうとする行為を上司はスルーしてはいけないと思います。能力や技術が未熟なためにミスやトラブルがあったとしても、その事実を素直に認めて、早急に報告してくれるのであればカバーは可能ですが、嘘をついたり誤魔化したりされてしまうと、ケースによっては手が付けられない状況に陥りかねません。さらに言えば、こうした嘘や誤魔化しが縦だけではなく横の関係においても繰り返されるようになるとモラールの低下だけでなく、チーム機能を蝕み壊していきます。

こうしたリスクを日常的に放置してしまうのではなく、職場運営におけるリスクをしっかり理解させ、それぞれの職場や仕事で決められている規則や規格、基準、約束、納期等の順守と適正な報連相の徹底を図り、嘘や誤魔化しのないチームにしていくことが大事と思います。皆さんの職場はいかかですか。

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成長できる社員とそうでない社員との違いについて

2022年8月31日10:39 AM

第7波の感染者数が高止まりで推移している中、医療機関の逼迫緩和のため、感染者数の全数把握の是非を巡って政府と自治体とで押し問答が続いています。2類と5類の扱いをどうするかも含めて、この先コロナをどのような病気として捉えていくかの本格的な議論が始まっています。

これまでの多くの研修指導等で各企業の若手の社員の皆さんと接する中で、成長できる社員とそれが中々促進されない社員とで二つの違いがあるように感じます。
一つは、本人が働き始めたときの動機がいかなるものであったとしても、それぞれの価値観や考え方として不正義なことはありませんが、ある程度仕事にも慣れて職場の中心社員として活躍を期待され始める過程で、自分の仕事に何らかの意味を見出せているかを自分なりに整理できているかどうかが挙げられます。
「自分の仕事がどのように社会に役に立っているのか」「自社の発展にどう貢献しているのか」「自分の成長にどう繋がっているのか」、このようなことが整理できている社員は成長し、反対にできていない社員は伸び悩んでいる傾向にあるように思います。

もう一つは、日頃から考えて行動しているかどうかです。日常生活や職場の中で、誰しも考えることはあると思いますが、そこまで深いレベルで考えることは無いのではないでしょうか。
例えば、何かを考えていたとしても、何らかの答えが見つかればそこで考えることを止めてしまったり、今までの習慣や慣例が邪魔をして新しいアイディアにたどり着けないなど、誰しも日常的に考えてはいるけれど、考え抜くレベルまで深め高めていることは多くありません。
成長できる社員とそうでない社員との差は、知識や経験、能力などの差によるものより、考えることによる差の方がより大きく影響しているように感じます。

組織の成長や職場の円滑な機能のためには、受け身ではなく、能動的かつ自律的に「考えて」行動する社員の存在が不可欠です。皆さんの職場はいかがですか。

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ニューノーマル時代への対応について

2022年5月30日11:00 AM

未だ収束までは至らないものの、連日の全国感染者数に顕著な減少傾向が見られることで、政府は条件付きで屋外でのマスク装着の制限を解除しました。これにより、国民の生活は確実にポストコロナへと移行し、これまでのコロナリスクを強く意識した生活から、コロナと上手く共存しながら社会経済活動を行っていく時代へと変化していきます。

我々はコロナが収束し、コロナ前の元の生活がまた戻ってくることを心のどこかで願っていました。しかし、100%の収束は見込めそうにないことがわかったいま、ポストコロナの時代に適した新しい日常(ニューノーマル)を受け入れ対応していくことが求めれます。

働き方で言えば、これまでも導入運用されてきたテレワークやオンラインによる活動はこれまで以上に当たり前となり、もっと効率的に進化し、その活用範囲や規模ははるかに拡大すると思われます。
さらに、インターネットを活用して業務やサービスを構築するDX(デジタルトランスフォーメーション)も益々拡大し、外食産業や宅配サービス等の注文や支払いだけでなく、企業の各セクションのデータ管理からビジネスモデルに至るまで多岐にわたって進化していくことが予想されます。

そして、そこで働く人たちに求めれれることは、ビジネス上のそうしたツールを使いこなすだけでなく、さらにイノベーションをもたらすことができるスキルをいかに有していくかということです。
我々は、コロナ禍前の日常の中で、様々な考え方や技術を取り入れて新しい価値を生み出し、常に社会経済に変革をもたらし続けてきました。
コロナ前の日常にはもう戻らないことを認識し、これからの新しい日常の中での変化を受け入れ、ニューノーマルに沿った能力やキャリアを研鑽し、多様な価値観や倫理観を培っていくことが求められていると思います。

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組織に求められるコンプライアンス対策について

2022年4月27日9:47 AM

遅々として進まなかった3回目のワクチン接種率がようやく5割に届こうとしていますが、全国の1日の感染者数は4万人前後で推移しており、ピーク時の感染者数と比べるとかなりの減少傾向にあるものの、いまだ予断を許さない状況であることは変わりありません。
一方で、政府は3年ぶりに5月の大型連休での行動制限は求めないことを明言しており、ウイズコロナへと舵を切り始めています。

そうした中、某企業の取締役の研修講義内での失言が世間で波紋を拡げています。問題となった発言は、自社店舗に若い女性客をリピーターとして集客するためのマーケティング戦略を比喩表現して発せられたものでしたが、それはあまりにも不適切であり、あらゆる方面に配慮を欠いたとても不快な表現でした。この発言は、瞬く間にSNS等によって拡散され、大炎上することになり、本人だけでなく、取締役を務める企業や研修を主催した大学まで謝罪するという事態となりました。自覚なきたった一人の発言により、取り扱う商品や企業イメージ、さらには業界そのものの印象が貶められ、今後の事業展開すら危ぶまれる状況となっています。

明日は我が身かもしれないこうした問題を企業はいかに抑止していくかが求められている訳ですが、組織内にコンプライアンスについての基準やルールが存在していても、それを社員一人ひとりがしっかりと理解、認識し、あらゆる場面で自覚行動をとることができなければ何の意味もなく、今回のような事態は起こり得てしまいます。

そうした事態を抑止するためには、まず業務上必要な法律知識やその責任の範囲、規模が異なる若手社員、中堅職、管理職、さらには経営幹部に至るまで、組織内でのそれぞれの役割に合わせて職層別に効果的なコンプライアンス教育を行うことが必要です。
さらに、いま一度、社内風土を見直し、社員同士が理解やコミュニケーションを深め、それぞれの立場や背景を理解しつつ、互いに意見を交換し合える社内風土に変えていくことで、自分の仕事に対してコンプライアンスルールがどのように関わってくるのかの自覚とそれについてのリスクマネジメント意識の向上を図ることがとても大切です。
皆さんの企業では、どのようにコンプライアンス対策を進められていますか。

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新入社員研修を通して思うこと

2022年3月30日10:00 AM

急激な拡大を見せていたコロナ第6波の感染者数が減少し、まん延防止措置が解除となりました。一方で、海の向こうウクライナではロシアによる軍事侵攻が一か月以上におよび、甚大な被害と犠牲者が発生しています。さらに、これからこの戦争による世界的な資源不足と物価高騰が予想されます。

毎年度、この季節になると、幾つかの企業から新入社員研修のご依頼をいただきます。社員教育や人材育成については、各企業でそれぞれのお考えやご方針がお在りですが、新人研修においては、どの企業でもビジネスマナーやコミュニケーション、業務・社会常識等で共通されているように思います。これは、欧米社会では新卒と言えども学生時代に修得した専門知識やスキルによる戦力として期待されるのに対し、日本では新卒は学生上がりとして入社と同時に指導教育し戦力を目指していくという文化が根付いているからのような気がします。

ここ数年、新人研修を行う中で、当然期待される社員が多くいる一方で、中には自覚や意識、能力が不足していると思われる社員がみられることが少なくありません。これからも間違いなく続いていくであろう少子化による人手不足の中での採用活動における各企業の新規採用担当者の皆さんのご苦労は至極大変なものと理解していますが、どうしても人数合わせの採用になってしまうと企業にとっても社員にとっても幸福な結果に繋がっていかないことは少なくありません。
企業の文化や社風、業務内容と本人の適性や価値観が見合っていない、本人の成績や能力が本来求める水準を満たしていない、社内の良い側面だけをアピールして仕事の実態を本人に伝えないことなどのまま採用し入社を迎えるようなことであれば、所謂ミスマッチが発生し、指導教育も行き届かず、配属先での混乱や衝突などのモラールダウンを招くことにも繋がってしまいます。

現状、どんな社員でも指導教育してなんとか活用していかなければならないことは多くの企業の課題として実感していますが、それぞれの企業が求める水準と職場の適正人員規模をもとに、どのような社員を採用し、どのように指導教育し、職場のキーパーソンとなり得る人材として育てていくかという努力を諦めてはいけないと思います。皆さんの企業の採用フローはいかがですか?

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