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人事コンサルティングブログ
部下のモチベーションやエンゲージメントを下げないために
2023年4月28日 12:16 PM
幾つかの組織や企業で、社員の皆さんの人事考課や評価制度の内容について、その後のフィードバックへの参考材料としてのコメントを書かせていただく業務をお引き受けしています。何年も続けていると社員一人ひとりのこれまでの評価内容の推移の仕方によって、その成長度合いや活動の充実度などが理解できるようになります。一方で、少しずつ評価が下がってきたり、急に低評価になったなどの場合は、本人の活動を阻害する何かが起きていることのシグナルとして読み取ることもできます。
企業によって、評価要素や評価基準、評価段階は様々ですが、基本的に評価は自己評価と上司評価で評価されます。自己評価によって本人の主観的な状態が示されることになるのですが、これだけでは事実かどうかは曖昧で、そこに、上司評価によってできるだけ客観的な状態が示されることで、本人の実態の輪郭が掴めてきます。逆に言えば、上司評価だけではまだぼんやりな状態ですが、自己評価があることでピントがあうようなイメージです。
評価内容から読み取れることは社員個人の情報だけではなく、それぞれが属する職場の状態がどのようなものであるかも教えてくれます。例えば、同じ職場に属する社員のそれぞれの評価内容が低下してきている場合などは、職場の状態が良くない状態となっていることが覗えます。そうした職場の場合、職層に関係なく属する社員のほぼ全員が同じような評価傾向にあり、下がるタイミングやプロセスも同じように推移していることが殆どです。当然、評価する上司の皆さんは危機感をもち、上司所見欄などで本人に対して様々なコメントを書かれていますが、一方で、時として感じることは、そこに上司としてのマネジメントやリーダーシップがどういうものであったかが見えてこないということです。
例えば、人員不足の状態の際には、一時的に部下に兼務などの無理をさせてある程度の時期を乗り切って、業務を推し進めていかなければならない場合もありますが、上司がいつまでも適正人員規模のマネジメントをせずに職場をその状態のまま放置してしまっていては、いずれ部下は疲弊してしまい仕事へのモチベーションは低下します。
さらに、そうした状態にもかかわらず、できる部下にはさらなる要求や期待を寄せ、できない部下には指摘や叱責を繰り返すだけで、上司としての現場でのサポートやアドバイス、計画的かつ継続的な支援指導が不足していれば、部下は信頼できずに職場へのエンゲージメントを失います。
部下の評価内容から上司としての自分がどのようなものであったかがわかります。部下の評価を部下のものとしてだけと捉えるのではなく、そこから気付きや学びを得て、上司としての変化や成長に繋げていくことがとても大事なことと思います。
カテゴリー:人事コンサルタントの雑感,評価制度
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