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正規と非正規社員の格差是正について

2016年3月1日 9:32 PM

政府は、同じ仕事なら同じ水準の賃金を支払う同一労働同一賃金制度の実現に向けて指針作りに着手し、今年度中にも制度を導入すると言っています。

指針では、同一職務の内容であれば、同一の賃金を支払うことが原則であることを明確にして、正規や非正規といった雇用形態の違いだけで賃金に差をつけることを原則禁止するとしています。

現行法でも正規社員とパートなどの待遇に差をつけることは、原則、禁じていますが、規定が曖昧なため実効性に乏しい状況でした。このため、今回の指針では、具体的な禁止事項を例示して、極力格差をなくすことを考えているようです。

そのほか、通勤手当や出張経費などの支給額を同額にするとか、勤続年数などによる賃金の差はある程度認め、日本の賃金全体の実態に配慮するといったことなどが考えられています。

しかし、この格差は、著しく大きくなっており、全雇用者に占める非正規の割合は、40%近くまで増加しています。したがって、この格差の是正は正規と非正規の差を単純に増減させることで解決できるものではありません。様々な方法を総動員しなくてはならないように思います。

たとえば、1時間あたりの労働生産性が、職務によっては確実にレベルが同じであれば、その職務によっては同一賃金にするとか。正規社員でもフルタイムでなく短時間労働を希望するのであれば、時間あたりの賃金水準に移行し非正規の賃金レベルに適当な割合で整合させるとか。さらに、長時間労働を抑制することで削減できる人件費を非正規の賃金レベルの引上げに使うとか。同じく手当類などの人件費の整理によって不要な人件費を格差の是正に活かすとかなどです。

いずれにしても、この格差是正は企業内の改善や努力だけで解決できるものでなく、広い視点で社会的な問題としての取り組みが必要のように思われます。

カテゴリー:人事コンサルタントの雑感

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