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残業時間80時間で立ち入り調査

2016年4月1日 9:00 AM

政府は、長時間労働に歯止めをかけるため、1ヶ月の残業時間が80時間でも労働基準監督署の立ち入り調査を行うといっています。いままで1ヶ月の残業が100時間に達した場合に行う立ち入り調査を月80時間に引き下げる方針です。

長時間労働は、仕事と子育ての両立を困難にし、子を持つ女性の活躍を阻む原因になっており、長時間労働を少しでも減らすことで子育てをしている女性が働きやすい環境を促進する狙いです。

このため、立ち入り調査の対象となるのは、80時間を超える残業をしている従業員が一人でもいると疑われる企業で、従業員の通報などを通じ重点的に調査が行われます。
また、調査の結果、違法の残業代の未払いなどがあれば、是正指導し、改善できない企業については、いままで以上に罰則が強化されます。

平成15年度の労働力調査によると全国の常勤労働者は約5000万人で、このうち100時間を超える残業をしている人は、少なくとも約110万人はいるといわれています。
今回、80時間を超える人は約300万人と予想されており、今回の立ち入り調査の対象となる労働者は3倍近い人数になると思われます。

全国の労基署による平成14年の立ち入り調査は約135万件で、このうちその7割が何らかの法違反になっています。労基法では36協定を結べば残業ができますが、それでも厚労省は月45時間までにするように求めています。しかし、特別条項付の36協定を結べば45時間以上の残業になり、残業時間が長くなる原因となっています。

この残業時間の削減と長時間労働の短縮は、いずれにしても、企業にとって、社会全体にとっても大きな課題です。これをなんとか克服して新しい働き方を工夫していく必要があります。

カテゴリー:人事コンサルタントの雑感

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