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企業で最も困っていることは何か。そして、それはどのように変化していくのか。

2017年4月16日 12:53 PM

いま、何処の企業でも困っていることは人材の不足なのではないでしょうか。
特に困っているのはサービス業や小売業、流通業といった業種ですが、一般の製造業や建設業でも人材不足は深刻になってきています。

その原因はどこにあるのか。景気が数年前に比べて上向いていることも要因の一つですが、主な要因は人口の少子高齢化です。高齢者の人口割合は、現在27%を超え過去最高になっています。その高齢者の就労意識は向上してきていますが、65歳定年後の増加は極一部で限定的です。

一方で少子化の人口減少傾向は続いており、昨年一年間(2016年10月時点)の総務省の推計では過去最高で29万6千人の減少で、さらに現在高齢者の増加と出生数の減少傾向は変わらず、労働の担い手となる15歳~64歳の「生産年齢人口」は前年比で72万人減少しています。この生産労働人口の減少をどう補っていくのかが大きな課題となっています。

ひとつは、先ほど述べた高齢者の就労促進と女性の社会進出への期待ですが、これでどれだけ補充できるかというと、多くのネックとなる壁が存在していて、これだけでは到底補いきれない状況です。

次に、外国人労働者への期待があります。これも2016年10月の推計で外国人の人口数から出国数を差し引いた「純流入」が13万6千人で2015年の実績を4割上回り、過去最大になっています。しかし、人口の減少を外国人の受け入れで補充しようとすると、大規模な移民の流入が必要で、これもいろいろと障壁が多く限界があります。

もう一つの可能性は、今いろいろ言われている作業AIロボットへの期待です。確かに医療や生産工程、介護さらに建設現場、調査分析、あるいはサービス業、流通業などの多くの分野で導入され普及する時代がくると思います。しかし、これがどの企業でも人材不足の打開策として使われるようになるには、まだかなりの技術の蓄積と試行過程が続くように思われます。

こうしてみると、これからも企業の人材不足は続き、社会的には労働の流動性も高まり、どの企業でも人材の確保とそれを有効に活用できる職場作りを続けることが最大の課題になるに違いありません。そしてこのためには、従来の経営の仕方から脱皮し、社員をもっと直視し、もっと入念な対応と新しい仕組みを創出していく必要があると思います。

いまだ従来通りのルールや古い仕組みや制度のなかで社員を働かせている企業は多いのではないでしょうか。

カテゴリー:人事コンサルタントの雑感

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